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日常の先に大舞台がある。矢板中央と四中工が示す、その重要性

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高校サッカードットコム

  選手権は集大成の場だ。そのチームが、これまでどのような練習や試合、ピッチ外の取り組みをしてきたかが問われる。 例えば相手への対策。試合間隔があまりない短期決戦ゆえに、トレーニングでは疲労回復などコンディション調整が中心となる。連戦となれば、映像を使った指示や確認くらいしかできない。そこではチームとしての引き出しの多さ、どんな経験が蓄積されているのかが重要になる。 準々決勝の四日市中央工戦に2-0で勝利した矢板中央のMF鶴見拳士朗は「四中工の攻撃での斜めの動きは、マリノスの斜めの動きと似ていた。そういう相手とやったことがあるのは、この試合を戦う上でプラスでした」と試合後に話した。プリンスリーグ関東で2019年を戦ってきた矢板中央は、高体連やJクラブの強豪との戦いが日常茶飯事であり、その中で対戦相手と似た特徴を持つチームとの戦い方のノウハウを持っていたのだ。試合の中でボール保持率では四中工が上だったが「ヴェルディ戦だと8割くらい相手に持たれた。そういう上手い相手に、守備で壁を作って戦うことは成長できた」という実感があり、自陣で守備陣形を組んで失点しないことを選手権ベスト8という大舞台で発揮することで、埼玉スタジアムへの切符をつかんでみせた。 敗れた四日市中央工も、逆の立場で年間を通じて戦うリーグ戦の重要さをしてきしていた。春からはガイナーレ鳥取でプレーするFW田口裕也は「県内でもべた引きして守ってくるチームはあるけれど、やっぱり(矢板中央は)レベルが高い。相手をなかなか崩せなかった」と振り返る。そして、その要因の一つとして「うちは今季は三重県リーグでした。これはインターハイでも感じたんですけれど、県リーグのチームがプレミアリーグやプリンスリーグのチームと戦うと、日常の差がすごくあるなと実感します。僕達も(昇格するために)絶対に負けられない試合の連続ではありましたが、普通にやれば負けるはずのない相手が多い。プリンスリーグには県リーグでは味わえない、より緊迫した試合が毎週のようにあるはずです。その差は大きかったですね」と率直な思いを語っている。 伊室陽介監督も「(県リーグは)ミスをしても、相手もミスをしてくれるので大事にならない。でもレベルが上がると、相手はミスを見逃してくれない」と話す。監督として初めて挑んだ選手権である程度の手応えをつかむと同時に「この強度の中でボールロストを減らそう、コンビネーションを高めよう、相手の嫌がることをしてシュートへ持ち込もう。そうしたレベルを高めていかないと、もし来年も選手権へ出させてもらえたとしてもここまで(ベスト8)だと思います」と更なる成長の必要性も感じている。 その為にも、日常のレベルを上げる事は重要だ。田口は「だからこそ、今季はプリンスリーグになんとしても昇格したかったんです。そして昇格できた。後輩達は少しでもいい経験を積んだ状態で強豪チームと戦って欲しい。そしてベスト8を超えて欲しいです。能力の高い選手たちがいるので、本当に可能性はあると思う。がんばってほしい」とエールを送った。

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