電車なのにオープンカー!? 斬新車内の「お祭り電車」は景色が近未来 お好み焼きも飛んでるぞ!
LEDパネル×ARエフェクトでオープンカー風の風景が楽しめる!
JR西日本は2024年12月8日、大阪・関西万博に合わせて投入する323系電車の特別仕様車「JR WEST Parade Train」を報道公開しました。 【景色が近未来】これが斬新すぎる「JR WEST Parade Train」の車内です(写真) 「JR WEST Parade Train」の外観は、プレゼントの箱のリボンが解けて何か楽しいものが飛び出してくる様子をイメージした、リボンや紙吹雪などが舞うにぎやかな雰囲気。内部にはLEDパネルが設置され、カメラで撮影した外の映像がリアルタイムで投影されるようになっています。 映像にはAR技術を使ったエフェクトが重ねられ、乗客は、にぎやかなパレードに参加しているような雰囲気が味わえます。エフェクトは、大阪の魅力をアピールする「水都」「食」「歴史」「自然」の4種類と、さらに西九条駅から桜島駅までの区間限定で投影される万博仕様の演出の合計5種類。また、万博開幕前後で映像も変化するそうです。 今回報道公開されたのは、「水都」と「食」をテーマにした演出でした。「水都」についてはイトマキエイなどの魚の泳ぐ姿が、「食」についてはお好み焼きやたこ焼き、串カツなど大阪の食を代表するものが投影され、にぎやかでユーモラスな映像が楽しめました。
1編成目は14日から営業運転
報道公開は停車中の車両で行われたため、車窓とLEDパネルの映像は別物でしたが、走行すると実際の車窓とLEDパネルの映像がシームレスにつながり、オープンカーに乗っているような雰囲気を味わえるとのことです。 また、駅に停車中は、外部映像からアイドリング映像に切り替わり、駅で待っている乗客のプライバシーにも配慮しています。新大阪駅から大阪駅を過ぎるまでのトンネル区間を走行する際には、1970年の大阪万博から2025年の大阪・関西万博までの歩みをたどるコンテンツが放映されるそうです。 車内へのLEDパネル設置には、車両の揺れや電気的なノイズ、乗客の安全など、乗り越えるべき技術的なハードルが多くありました。LEDパネルは、車両上部のカーブに沿うよう、曲がるパネルを使用。さらに万一の落下に備えて、強化ガラスのカバーを付けるなどして安全性も確保しました。 扉の両脇には映像投影用の機器を設置し、網棚も映像が見やすいように撤去されるなど、一般の323系とは少し異なる点もあります。 「JR WEST Parade Train」は大阪環状線、JRゆめ咲線(桜島線)を中心に、万博が開幕した後は新大阪駅と桜島駅を結ぶ直通臨時列車として運行します。ただし、ラッピングや車内特別演出が楽しめるのは桜島駅方面の先頭1両のみで、2両目以降は通常仕様の323系です。 投入されるのは2編成で、今回公開された1編成目は12月14日に大阪環状線やJRゆめ咲線で営業運転を開始する予定。残りの1編成はその後に改造工事に着手し、2025年2月頃に営業運転を開始する予定です。 万博後にこの編成をどう運用していくかは未定ですが、JR西日本は「今回の車内演出は実証実験の意味も込められており、運用の効果やコストを考えて検討したい」としています。
鶴原早恵子(鉄道好きライター)