「根尾 まずは速球に振りまけるな」中日OB森野将彦さん 「確実に良くなっている。ただ、まだ1軍で通用するレベルにはない」
◇評論家のファームチェック「1軍へ昇れ」
根尾の現状を見るために23日の2軍のソフトバンク戦(ナゴヤ球場)に足を運んだ。見たかったのはヒットを打つか打たないか、ではなく、ファウルや凡打を含めた打席内容だった。 確実に良くなっている。取り組んでいることも間違っていない。ただ、1軍で通用するかという視点で見ると、まだそのレベルにはないと書かざるを得ない。 現状の課題が濃く表れた打席があった。相手が長身右腕の椎野に代わった第4打席。真っすぐは140キロ台中盤、角度もある。外角にフォークと速球を続けられ、ボール球を空振りして追い込まれると、最後は当てただけの遊ゴロだった。 この打席で露見したのは1軍レベルの速さ、切れに対するもろさだった。140キロ以上の真っすぐを打ち返していかないと1軍では通用しない。まず速い球に振り負けないこと。なおかつ切れのいい、しっかりコントロールされた変化球に対応すること。その上でボール球を我慢しながら、甘い球を投げさせる。そうやって1軍レベルの投手に対応できるようになっていくのだ。 8月上旬に1軍に上がった際には、多く打席に立たせてもらい、初ヒットも打った。その経験を生かして2軍でやってきたことは決して悪くないと思う。ただ、もう1つ、2つ上のレベルを目指すなら、やらなければならないことはまだまだたくさんある。 技術の点ではまず一つ、バットの軌道があまり良くない。理想は内側からしなって出てくるようなインサイドアウト。今の根尾はバットのヘッドが早く投手方向に向いてしまうドアスイング気味になっている。 今後の試合でレベルの高い投手と対戦する機会があれば、そこで自分の打撃をできるよう意識して取り組んでもらいたい。(本紙評論家)