首相「核兵器ない世界への道、難しかろうとも歩む」 核禁条約には触れず
原爆の日の6日、広島市の平和記念公園(中区)での平和記念式典に、地元選出の岸田文雄首相が就任後、初めて出席した。あいさつでは、核兵器による威嚇や使用が現実の問題になっているとして、強い危機感を表明。「いかに細く、険しく、難しかろうとも核兵器のない世界への道のりを歩む」と誓った。 【きのこ雲の下で何が 惨状の写真5枚】 首相は原爆慰霊碑の前であいさつした。「核兵器使用の惨禍を繰り返してはならない」として非核三原則を堅持し、厳しい安全保障環境という「現実」と、核兵器のない世界という「理想」を結びつける努力を強調した。来年5月に市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に言及し、「核兵器使用の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示す」と述べた。 米ニューヨークの国連本部で再検討会議を開催中の核拡散防止条約(NPT)の維持、強化の必要性を説いたが、核兵器を全面的に違法化する核兵器禁止条約には触れなかった。
中国新聞社