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漫画「草」が語る従軍慰安婦  独自の作風で訴え「現代につながる性暴力問題」

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 ▽「私たちが死ぬのを待っているのだろう」   その李玉善さんは、昨年10月に市民団体の招きで来日している。李さんの半生を追ったドキュメンタリー映画「まわり道」の上映会が川崎市で開かれ、筆者も取材した。  「まわり道」では、ナヌムの家に暮らす李さんら元慰安婦を、何年間もカメラが追う。元気に歌ったり踊ったり、時には怒ったり泣いたりするおばあさんたちだが、映画が進むうちに次々と他界していく。それを見つめる李さんのまなざしが悲しい。  上映前の記者会見に車いすで現れた李さん。「日本政府は私たちが死ぬのを待っているのだろうが、死んでもこの問題はなくならない。安倍(晋三首相)に会いたくて来た」と話した。  「日本が悪いことをしたのに『やっていない』と言う。その結果、今の韓日関係悪化がある。歴史の否定は許されない」と力を込める。「強制連行ではなかった」「金を稼いだ」など慰安婦制度を打ち消す言説があることに「自発的に慰安婦になっていたら、今も謝罪を求めているか。好んでなったのではなく、連れて行かれた」と反論した。

 この頃「草」の日本語版出版に向けた作業が進行中だった。本について問われた李さんは「多くの人が私たちの歴史を知らないといけない。(漫画を読んで)日本だけでなく世界中の人に知ってほしい」と答えた。  これまでに何度も来日し、賠償と謝罪を求めてきたが、今回が年齢的にも体力的にもぎりぎりの来日だったように見えた。「私たちが死んでも解明しなければならない問題だ。若い人たちが私たちの遺志を継いでくれると信じている」。会見の最後をこう締めくくった。  「草」は2017年に韓国で出版後、各国で翻訳された。米紙ニューヨーク・タイムズが「ベストコミック」に選ぶなど高評価を得た。英紙「ガーディアン」では「ベスト・グラフィック・ノベル」、フランス紙「ユマニテ」では「マンガ大賞審査員特別賞」を受賞した。  日本語版は東京都の「ころから」が企画。出版費用をインターネット上のクラウドファンディングで募ったところ、短期間で目標額の2倍以上の318万円が集まった。このため予定より販売価格を500円安くして販売。また、一部を金さんの招待費用にも充てた。金さんは大阪、広島などでも講演した。

 「草」はA5判488ページ、税込み3300円。

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