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漫画「草」が語る従軍慰安婦  独自の作風で訴え「現代につながる性暴力問題」

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 「過去の話や民族の問題ではない。現代の性暴力につながる女性問題として描きました」―。旧日本軍の従軍慰安婦だった女性の半生を描いた韓国の漫画「草」の日本語版が2月14日に出版され、作者の金ジェンドリ錦淑(グムスク)さん(48)がそれを記念して来日した。同月21日には東京都内で講演。漫画の狙いを「#MeToo」に代表される問題と同じだと分かってもらうことと説明、若い世代に読んでほしいと呼び掛けた。(共同通信=角南圭祐)    ▽タイトル「草」に込められた思い  「草」が取り上げたのは、元慰安婦らが入所する韓国「ナヌムの家」で暮らす李玉善(イ・オクソン)さん(92)だ。金さんは李さんの部屋を訪ねてインタビューを重ね、李さんの現在と、中国に連行されて慰安婦にされた15歳当時や、戦後も故郷に帰れず、2000年まで中国で暮らした苦労を描いた。  タイトルはなぜ「草」なのか。「ここに描いた女性たちは民衆の娘。何度、どんな被害に遭っても立ち上がり、生き残った。草のように」。金さんはこう意味を明かした。

 確かに、物語の主要テーマは、慰安婦制度や植民地支配、日本の戦争責任というよりも、さまざまな男性にだまされ過酷な一生を送る一人の女性の人生そのものだ。「日本への怒りにとどまるのではなく、一人の人生を通して当時の歴史や社会を間接的に体験する本にしたかった」  作品は「グラフィック・ノベル」と紹介され、一言で「漫画」とは言い表しにくい独特の作風だ。作者の金さん自身が出てくるルポのようなシーンもある。「慰安婦問題は過ぎ去った歴史だと思われがちなので、李さんに会いに行く私を読者として登場させた。若い人に読んでもらい、人類普遍の問題として歴史に向き合ってほしい」  絵も独特だ。筆のタッチを生かした描写のほか、真っ黒なコマが続くだけのページもある。美術を学ぶためフランスで長く暮らした金さんは、漫画を勉強したことがないという。「独学だからこうなった。私だけのスタイルだ」と打ち明けた。  暴力や性被害の場面は一切出てこない。「風景や鳥などの自然を描いたり、慰安所の部屋の前に兵士たちが脱いだ靴を並べたりして、隠喩として表現した。李さんに作品を見せて2次被害にならないように」。李さんに完成品を見せると、泣いて喜んでくれたという。

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