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憧れのシューズクロークで、失敗しない3つのポイント 注文住宅の間取り

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ダイヤモンド不動産研究所

注文住宅でシューズクロークを取り入れる施主が増えています。シューズクロークとは、シューズインクローゼットとも呼ばれ、靴を履いたまま入ることができる収納と土間などのスペースのこと。大きなシューズクロークは施主の憧れでもあり、設置することで、玄関回りが綺麗に片付きます。ですが、実際に住んでみると「使いにくい」「あまり使わなくなった」といった声もよく聞きます。ここでは、使いやすいシューズクロークにするための3つのポイントを紹介しましょう。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮) このシューズクロークのどこに問題がある?

理想のシューズクロークとは?

 皆さんご存じのとおり、日本のアパートやマンションの玄関は非常に狭いです。通常は廊下と同じ80センチ程の幅しかありませんから、4人家族なら靴やサンダルで収納しきれず溢れてしまいます。履いた靴は下駄箱などにしまわずに出しっぱなしになることが多いからです。さらに子供が小さい場合、ベビーカーや三輪車、外で使うおもちゃが加わります。  これらの問題を一気に解決するアイテムとして、10年前くらいからシューズクロークを取り入れる方が増え始めました。特に、スペースに比較的余裕のある注文住宅では、本来の玄関と家族用の玄関を分け、家族用の玄関にシューズクロークを設けるケースが多く見られます。ですが、そんなシューズクロークもよく考えずに作ると、使用頻度が減り、無駄なスペースになってしまいます。  それでは、使いやすいシューズクロークをつくるにはどうしたらよいのでしょうか。3つのポイントがあります。 1.帰宅・外出時の動線を短くする 2.シューズクロークの通路幅を広くする 3.必要な収納量を確保する

1)帰宅・外出時の動線を短くする

 多くの人は、面倒なことが嫌いです。シューズクロークも同様で、「靴を毎回、下駄箱に入れる」という面倒を回避しつつ玄関を綺麗に保ちたい、という発想から生まれています。そのため、シューズクロークを経由し、動線が長くなってしまうと“新たな面倒”が発生し、使いやすさは半減します。チェックすべき動線は3つです。 ●帰宅動線 まず、最も重要なのが帰宅動線です。図1の間取りを見てください。家族は帰宅すると、(1)玄関を経由して(2)シューズクロークに入り靴を脱ぎます。(3)土間を経由しそのまま(4)洗面室で手洗い・うがいした後に、(5)キッチンや(7)リビングに入る流れです。このようにシューズクロークを内玄関として利用すれば、表玄関である玄関ホールは靴やモノが置かれません。  この間取りは、私が考える使いやすいシューズクロークの3つのポイントを満たしています。そして、この間取りとは違う間取りでも、3つのポイントさえ守れば使いやすくなります。  一方、下の図2の間取りも図1同様に帰宅動線に手洗いがある間取りですが、こちらは動線に問題があります。  家族動線が(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(7)、来客動線が(1)→(6)→(7)です。これは、家族動線があまりに長く、シューズクロークは使われなくなる可能性が高いです。  またシューズクロークの入り口((1)→(2)間)は、引き戸など開きっぱなしにできるものにすべきです。理由は、ドアを開けるのも「面倒」の一つだから。買い物袋で両手が塞がっている状態でドアを開けことを面倒だと思った経験は誰でもあると思います。引き戸であれば、普段は開けっ放しにしやすいので、開け閉めのストレスから解放されます。  毎日使う動線は、ストレスがなく最短であることが基本。「疲れてぐったりしている状態でも、自分や家族はシューズクロークを通るだろうか?」という視点で動線チェックすると良いですね。 ●外出動線 外出時の動線を考えてみましょう。外出時は、直前にいる場所によって動線が変わります。ただ、靴が置いてある場所にいく必要があるため、前日の帰宅時にシューズクロークで靴を脱いだのであれば、シューズクロークを通らざるを得ません。そのためどちらにしろ、シューズクロークは通ると言えます。  ここで重要なのが、玄関ホールからシューズクロークへの動線があるかどうかということ(図1の(6)から(3))。この動線があればシューズクロークを使うための追加距離を最小限に留めることができます。 ●宅急便動線 最後に宅急便動線です。聞きなれない言葉かもしれませんが、文字通り、宅急便や回覧板の受け取りなど、外出を目的としない場合に玄関を使う場合の動線です。外出動線に近いですが、宅急便の場合、玄関で人を待たせているので早く対応したい、という心理が働きます。その場合でもシューズクロークを使うか、ということを考える必要があります。  「玄関に何も置きたくない」のであれば、これまで通りシューズクロークを通ることになりますが、玄関にサンダル程度なら置いても構わないのであれば、来客用の動線が最短です。実際問題、図1のように玄関ホールが広い間取りなら、サンダルを置く人は多いはずです。一方、図2のように比較的狭い玄関の場合は、家族分のサンダルが置かれていると、散らかった感じがするかもしれません。

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