「103万円の壁」引き上げを明言 石破首相が所信表明演説
石破茂首相は29日午後、衆院本会議で所信表明演説を行った。10月の衆院選で自民、公明の与党が過半数を割り込んだことを受け、幅広い合意形成を図る姿勢を強調。与党が補正予算案の成立に向けて連携を期待する国民民主党の主張に沿って、所得税がかかる年収の最低ライン「103万円の壁」の引き上げを明言した。 【写真】大敗した10月の衆院選投開票日の石破茂首相 首相は演説の冒頭、「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう真摯(しんし)に、そして謙虚に取り組む」と述べた。 衆院選の結果について「政治資金問題や改革姿勢に対する叱責(しっせき)」だったと総括。党から議員に渡され使途公開の義務がない政策活動費の廃止、政治資金を監査する第三者機関の設置、収支報告書のデータベース化などの議論を進め、「年内に必要な法整備を含め、結論を示す必要がある」と述べた。一方、立憲民主党などが求める企業・団体献金の廃止には触れなかった。
朝日新聞社