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天才棋士3人に直撃「藤井聡太七段と自分、どっちがすごい?」

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SmartFLASH

「自分と比べたこともないです。彼は、すべてにおいて凄い。若いのに、堂々と横綱相撲を取っている。メンタルも強い。観ていて勉強になります」  そう感嘆するのは、31年前にタイトル挑戦の史上最年少記録を樹立、その強さと棋風で「お化け屋敷」と呼ばれた、屋敷伸之九段(48)だ。  第91期ヒューリック杯・棋聖戦挑戦者決定戦に勝って、その大記録を更新した藤井聡太七段(17)は、現在、初のタイトルを懸けた五番勝負に臨んでいる。  将棋界で、これまでに “真の天才” と認められた棋士は数少ない。彼らは「自分とどっちが凄い」と思っているのか。

 冷や汗ものの質問を受けてくれたのは、“現役最強” との呼び声が高く、棋聖戦で藤井七段の挑戦を受けている、渡辺明三冠(36)である。  6月8日、五番勝負第1局で、渡辺三冠は藤井七段に黒星を喫した。本誌はその対局前、渡辺三冠に初戦に臨む決意を聞いていた。 「藤井さんの技術は日々伸びており、力関係というところでは掴みかねています。もしかすると、とっくに突き抜けられているかもしれない(笑)。  今回は、将棋史に残るタイトル戦になる。迎え撃つ側として責任を感じています。五番勝負では、偶然の結果は出ません。その時にどちらが強いのか、正確に出ますから」

 名人位を史上最年少の21歳で獲得したレジェンド、谷川浩司九段(58)も、藤井七段の成長に驚きを隠さない。 「私が17歳のときと比べると……。野球に例えるなら、ストレートの速さでは、いい勝負になる。でも、球種と制球力では、藤井七段にまったく敵いません。  彼は、この半年くらいで、急な勝負の流れを、緩やかに戻す、“ギアチェンジ” を身に付けました。これは、羽生さん(善治九段)が10代後半のころでも、持っていなかった力です」

 2016年に羽生四冠(当時)から名人位を奪取した名人位通算3期の実力者、佐藤天彦九段(32)は、藤井七段と自身の棋風を、サッカーに例えた。 「私の王様(駒の玉将)は、なかなか捕まらないと言われています。相手選手に囲まれても、ボールを奪われないようにするというか……。  藤井さんは、パス回しが巧みで、選手同士のぶつかり合いにさせてくれない。相手の陣形がどう変化するのかを読み、的確に隙をついて、チャンスをものにする。偶然はなく、綿密な計算に基づいていると思います」  最後に、“株主優待名人” として本誌でもお馴染み、引退棋士の桐谷広人七段(70)に聞くと、「18歳で奨励会に入った私とは、比べものになりません。屋敷くんの記録を塗り替えたのは、すごいことです」と喜んだ。  桐谷七段といえば、伝説の天才棋士、升田幸三・実力制第四代名人の唯一の弟子。その師と比べると……? 「升田先生と藤井くんならば、升田先生のほうが天才だと思います。『新手一生』を掲げた先生は、常に誰もやったことのない手を考え出す “創造の天才” でした。  藤井くんは、秀才タイプ。棋譜の研究に余念がなく、記者会見でのコメントも、いつも好印象ですよね。升田先生が藤井くんの立場なら、『渡辺なんて大したことねえ』と言い放つはずですから(笑)」  10年後、あらためて聞いてみたい--。 (週刊FLASH 2020年6月23・30日号)

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