県境またぐ移動を解禁 安倍首相が会見(全文2)拉致問題は政権の最重要課題
アショア停止で浮く予算を何に振り向けるのか
テレビ朝日:テレビ朝日の吉野です。イージス・アショアについてお伺いしたいと思います。今、総理、夏に向けて新しい戦略を議論して実行に移すとおっしゃいましたけども、例えば、併せて防衛大綱ですとか中期防の見直しをする考えはありますでしょうか。そして、今回、アショアの停止によって浮くであろう予算等、これを、宇宙ですとかサイバーですとか電磁波といった領域の戦略構築に振り向ける考えはございますでしょうか。 それと、総理、あと1つ。政権発足から7年半がたちました。アショアの件もそうなんですけども、給付金の問題ですとか公務員法の改正の問題、政権運営の中でブレーキを踏む機会が多くなったように感じます。これは総理、どういったとこに原因があるとお考えでしょうか。よろしくお願いします。 安倍:まず、お答えいたしますが、ブレーキを踏む機会ということでありますが、今挙げられたそれぞれ、給付金について、例えば給付金については、30万円の給付を大変困難な状況にある方に限定してお配りをするというこの対策を、全ての国民の皆さまに10万円をお配りするという給付に変更いたしました。それは、その変更をしたときに申し上げましたように、これはブレーキということではなくて、まさに30万円の決定をしたときとは状況が変わってきたということなんですね。緊急事態宣言を全国に拡大し、延長しているという状況の中で、多くの皆さまが痛みを感じているという中において、お1人お1人に配ることが、これは正しい判断だと決定するに至ったわけでございます。
何が抑止力かも含めて議論したい
そしてまた、公務員の定年延長につきましては、多くの方々が反対をしておられる中において、公務員改革のようなものについては国民的なコンセンサスも必要ですから、それは立ち止まって考えるべきだと考えました。今までも立ち止まって考えるべきものについては立ち止まって考えました。やるべきことについては果敢に進めてきたところであります。 そして今回のイージス・アショアにつきましては、住民の皆さまにご説明してきたその前提が違っていた以上、これは進めることはできないと、こう判断をしました。そこで、これはブレーキでは、ある意味、このイージス・アショアを配備をしていくということについては確かにブレーキをかけましたが、安全保障、国民の命を守っていく、日本国を守り抜いていくという防衛に、これは立ち止まることは許されない。つまりそれは空白をつくることでありますから、その意味において、いわば国民の命と、そして平和な暮らしを守り抜いていくために何をなすべきか、基本からしっかりと私は議論するべきだ、こう判断をしたわけであります。 抑止力とは何か。相手に、例えば日本にミサイルを撃ち込もう、しかしそれはやめたほうがいいと考えさせる、これが抑止力ですよね。それは果たして何が抑止力なんだということも含めて、その基本について国家安全保障会議において議論をしたいと思います。大綱、中期防については、まずは議論してから、まずは議論することを始めていきたいと。まだ大綱や中期防についてはまったく考えてはいない。まずは国家安全保障会議についてしっかりと議論していきたい。 ミサイル防衛につきましても、ミサイル防衛を導入したときと、例えば北朝鮮のミサイル技術の向上もあります。その中において、あるべき抑止力の在り方について、これはまさに新しい議論をしていきたいと、こう思っています。また、宇宙やサイバーといった新領域については重要分野と位置付けており、引き続きしっかりと取り組みを進めていきたいと思います。 司会:それでは次の質問の方どうぞ。それじゃあ重田さん。