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最先端アートの世界で、次世代育成のカギは「土起こし」と「好奇心ドリブン」 #新しい師弟関係

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Forbes JAPAN

新型コロナウイルスの影響で、人との物理的な距離感、コミュニケーションの仕方が変わるなか、「いかに人間関係を育むか」はこの先の大きな論点のひとつだろう。 4月25日発売のフォーブス ジャパン6月号では「新しい師弟関係」に焦点を当て、全55組の師弟を紹介。本誌掲載記事から一部抜粋でお届けする。 スペキュラティブ・ファッションデザイナーの川崎和也は、これまでファッションに関わる倫理的な問題を提起する作品を数多く発表してきた。たとえば、「バイオロジカル・テイラーメイド」。「もしも未来の仕立て屋がバイオハッカーになったら」という未来像の下、自家培養したバクテリアセルロースというバイオ素材を使い、3Dデザインのプロセスを経て着用者のスタイルにぴったり合うよう製作されたテイラードスーツである。 昨年には「世界を変える30歳未満」として、Forbes JAPAN「30 UNDER 30 JAPAN 2019」のサイエンス部門に選出された。そんな川崎が師と仰ぐのは、日本のバイオアートの第一人者であり、グーグルの先端技術研究部門「アドバンスト・テクノロジー・アンド・プロダクツ(ATAP)」で研究開発を行う福原志保だ。 福原:出会いは、2012年かな。私の大学院時代の同級生だった、当時SFC(慶應義塾大学環境情報学部)准教授の水野大二郎くんから、ゼミの最終発表の講評を頼まれました。そのゼミ生のひとりが川崎くんで、プレゼンも上手だったし、研究内容も興味深くて覚えていた。その後、私が仕事のアシスタントを探すことになって彼のことを思い出したんです。 川崎:いま振り返ると、当時はあまり仕事ができていなくて反省しています。でも、志保さんからは一度も「こうしなさい」という命令や指示をされたことはないです。あくまでも好奇心主導の提案ばかり。「これはどう?」と、絶対に強制はしない。僕が植物だとしたら、水を与えられている感覚というか……。唯一の命令は「早く大学辞めなよ」くらい(笑)。 福原:それは話していて大学に居続ける理由がわからなかったから。川崎くんを見ていたら、芽が出るのは明らかなんですよ。水野くんのような「先生」たちの役割が種まきだとすれば、私は土起こし。硬い地層をガツガツ掘り起こして、川崎くんみたいな面白い人たちがたくさん出てきてほしいなという気持ちです。 川崎:志保さんはこれまでいろんな面白い人に会わせてくれたし、いろんな場所に連れていってくれました。作品をつくるときはその分野に対して人一倍勉強をする姿も刺激になるし、深夜にメッセンジャーで交わす雑談でも僕にとっては学びが多かった。 福原:一緒に制作していくなかでお互い学び合う感覚だよね。私が教えられるとすれば──(続きはフォーブス ジャパン 2020年6月号でお読みいただけます)。 このほか、ZホールディングスCEO・ヤフーCEO川邊健太郎、マネーフォワードCEO辻庸介、作家辻仁成、リンクトイン村上臣らの師弟関係を一挙公開。フォーブス ジャパン2020年6月号は4月25日(土)発売! 川崎和也◎1991年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム後期博士課程修了。2019年、これまで活動してきたスペキュラティブファッションデザインラボ「Synflux」を法人化。 福原志保◎2001年ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ卒業、03年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了。研究者、アーティストとして活動する一方、Googleの先端技術研究部門「ATAP」に参加。

Forbes JAPAN 編集部