半導体装置向け超多層基板 1.4倍に生産増強 AI需要拡大に対応 OKIグループ
OKIグループでプリント配線板(PCB)事業会社のOKIサーキットテクノロジー(山形県鶴岡市)が、AI(人工知能)やデータセンター、次世代通信網などに使用される最先端半導体の製造・検査装置に搭載する超高多層PCBの回路形成ラインを上越事業所(新潟県上越市)に新設した。7月から本格稼働を開始している。 上越事業所内の製造エリアを3300平方メートル増床。極薄材料対応表面処理ラインを新設し、ダイレクトイメージ装置を増設した。また、AOI(自動光学検査)装置を移設することで回路形成プロセスの動線が最適化され、生産品質の向上とともに、生産能力は従来比の約1.4倍に拡大した。 新ラインは、0.03ミリメートルの極薄材料から8ミリメートルの厚板材料までの自動搬送・ダイレクトイメージ装置の増強により、高精度回路形成と高精細エッチングラインによる線幅精度向上(伝送特性安定化)を実現。高精度穴明け装置の増設で極小径穴加工(直径0.10以下)の能力が向上し、110層を超える超高多層、高精細基板の提供が可能となり、次世代半導体の製造や機能試験に対応する。 OKIはEMS(電子機器製造受託)事業に注力しており、PCB事業における半導体や航空宇宙、防衛、ロボット、次世代通信といった将来的に成長が見込める分野への技術開発・増産投資の一環としてラインを新設した。
電波新聞社 報道本部