東大を再受験する人と「学歴コンプレックス」の関係とは。学び続けるために必要な「原動力」とは?
35歳から受験勉強を始め、38歳で東京大学に入学しました。 取材でよく聞かれるのは、勉強を続けるのは大変ではなかったか、仕事と両立するのは難しくなかったか、そしてなぜ東大を受験したのか。 【表】東京大学の合格者のうち、上位の出身校〈中高一貫校〉は? 大変だったし、難しかった。きっと聞く前から予想していたと思います。 しかし、なぜ受験したのかはその個人の背景や思考に依拠するので予想が難しい。だからこそ興味深い。ぼくだって、ぼく以外のおじさんをキャンパス内で見かけたら「どうして受験したのかな」と気になります。
学歴コンプレックスと東大再受験
おじさんたちは元々賢い人が多く、医者だったり、慶應卒だったり、東大卒だったりします。そして、お姉さんはまだ見たことがないし、聞いたこともない。 男性の方が再受験をする傾向にあります。 SNSなどで再受験の理由を探ると、現役時代に東京大学に落ちて慶應大学に行き、東大合格を諦めきれず受験を決めた人がいました。 そういう人のSNSには、同じような考えを持つ人が集まっていて、一定数そういう人がいることが伺えます。いわゆる“学歴コンプレックス“を拭うために東大を目指したのです。 「慶應なら十分じゃないか」と思いましたが、本人にとってはそうではなかったらしい。そういうコンプレックスを持つ人は大勢いるのかもしれません。 しかし、実際に受験勉強をする人は多くない。 再受験で男女比があるのはそういうコンプレックスの程度に差があるからかもしれません(なお、英語以外の言語で東大を受験すると小さい部屋に25人程度が集められる。この部屋には毎年おじさんが5人くらいいたが、おねえさんは見たことがない)。 ぼくが受験を決めた理由は、友達が欲しいとか勉強したいとか自分の実力が知りたいとか賢い人が好きだとか、まあいろいろあって、そういう理由の統合が自分の原動力となりました。 しんどいことを続けるときに、理由が少ないと継続しづらい。その理由が途中で霧散したら、やめようかなと安易に考えてしまいます。だから、理由はたくさんあった方がいい。