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様変わりした「骨太の方針」 黒字化目標は生きている?

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FNNプライムオンライン

明示されなかった財政収支「黒字化」目標

政府の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」。今年のこの方針では、財政再建をめぐる目標が具体的に記述されなかった。 【画像】経済財政諮問会議で発言する安倍首相 今年の「骨太」は、新型コロナウイルス感染症への対応が前面に打ち出され、全体がスリム化される中で、医療体制の強化や国土強靭化、デジタル化の推進などに多くの紙幅が割かれた。その一方で、財政をどう立て直すのか、財政健全化に向けた目標は明記されなかったのだ。 政府は、政策にあてる経費が税収などでまかなえているかを示す「基礎的財政収支」について、 「2025年度に黒字にする」という目標を掲げてきた。 これまでの「骨太の方針」では、この目標を示し、「達成を目指す」としていたが、今年はこうした内容が記されず、「2018年、2019年の骨太方針などに基づき、経済・財政一体改革を推進する」という表現にとどまった。 昨年までの骨太方針に基づくということは、これまでの目標は引き継がれているという解釈にはなるが、具体的な明示は見送った格好だ。

財政立て直し議論は棚上げに

新型コロナウイルス対策が最優先とされ、財政立て直しへの課題は棚上げされた状況となる中、 財務省関係者は、今年の骨太をめぐる政府・与党での議論について、「具体的な目標について主張し続ければ、財政健全化に向けた記述そのものが消される恐れがあった」と振り返る。 「骨太の方針」では、目標について間接的な表現にとどめる一方で、「持続可能な財政の実現」に向けては、「次世代への責任の視点に立つ」とする原案にはなかった文言が盛り込まれ、財政再建への決意をにじませた形にはなった。

歳出規模は160兆円超え

医療体制を強化し、経済の底割れを回避するため、2度の補正予算が編成され、2020年度予算の一般会計の総額は160兆円余りに膨らんだ。90兆円を超える額を新たな国の借金、新規国債の発行でまかなう。 さらに、2021年度の予算編成に向けては、各省庁が新型コロナ対応などでの緊急経費を上限なしで要望できる仕組みにすることになった。

経済再生と財政再建の両立は

感染拡大が止まらない状況のもと、経済再生と財政再建の両立に向けた戦略は、抜本的な見直しが避けられなくなっている。 企業業績が急速に悪化し、消費も冷え込む中、税収は大幅減が見込まれる。対策を優先させる一方で、将来に回した「ツケ」にどう向き合っていくのか、政府の経済財政運営は大きな宿題を背負っている。 【執筆:フジテレビ解説委員 智田裕一】

智田裕一

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