渋谷区の「同性カップル証明書」全国初の条例は広がるか
アメリカでは30の州まで広がる
現在、アジア太平洋地域で同性婚ができる国はニュージーランドだけです。ベトナムでは1月から同性同士の結婚式をすることの罰則が廃止されましたが、手続きはできません。国内およびアジアでは同性婚の議論が高まっていません。 同性パートナーの法的地位は、異性間と同様の「婚姻型」と、婚姻とは別の枠組みの「パートナーシップ型」があります。渋谷区の条例は「パートナーシップ型」となります。この条例の施行によって、他の地域や国でも同性パートナーシップや同性婚の議論が進む可能性があります。 アメリカでは憲法の規定はありませんが、婚姻手続きの権限は州にあります。1993年、ハワイ州で同性婚が有効でないのは平等権に違反すると州最高裁が判断しました。その後、婚姻と類似のパートナーシップ制度を決めました。ただし、婚姻が男女間でなされることに意味があるとした共和党から提起された婚姻防衛法(DOMA)が1996年にできました。そのため、手続きは州に権限がありますが、健康保険や年金、相続等の権利義務は同性の配偶者には認められませんでした。しかし、2013年6月、DOMAに対する訴訟で、憲法違反の判決が出ました。 2004年5月にマサチューセッツ州が初めて同性婚を認めて以来、今ではワシントンDCと30の州まで拡大しました。 同性パートナーシップ制度にしても、同性婚にしても、性的少数者への理解が必要になります。性別や性自認、性的指向による差別のないような社会にしていきたいものです。 (ライター・渋井哲也)