池袋暴走事故遺族、殺害予告の中学生に「自分と他人を大切にする人生を歩んで」 ネットユーザーの詮索にもクギ
妻と娘を失った池袋暴走事故の被害者遺族・松永拓也さんが2024年11月28日、自身に対する殺害予告を行っていた14歳の女子中学生に批判が集中していることについて、Xで思いをつづった。 【画像】松永拓也さんの訴え全文を読む ■「彼女には未来があります」 28日の報道によると、9月に松永さんをメールで脅迫したなどとして、警視庁が横浜市の中学3年生の女子中学生を書類送検する方針を固めたという。 女子生徒は交通事故で家族を失った遺族の団体「関東交通犯罪遺族の会」通称「あいの会」に送信したメールの中で、池袋暴走事故の遺族である松永さんに対し「殺してあげようか」などと脅迫した疑いなどが持たれている。 松永さんが過去に公開していた実際に送られたメールのスクリーンショットでは、女子生徒は松永さんに対し「完全に金目当てで草笑」「そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」などとしていた。 松永さんは28日、送信者が中学生だったことについて「未成年があのような恐ろしい殺害予告を行ったことに、驚きと戸惑いを感じています」としつつ、「彼女には未来があります。その未来のために、ちゃんと社会的責任を果たし、深く反省した上で、自分と他人の命を大切に生きていく一歩としてほしい」とつづっていた。
「きちんと反省し、自分と他人を大切にする人生を歩んでほしい」
SNSでは、被害者遺族をあおり、殺人予告をした中学生に対し、厳しい声が相次いだ。一部では、中学生の個人情報を特定しようとする動きなどもある。 こうした中、松永さんは【追記】として過熱する世論に思いを明かした。 「中学生に対する、『批判』を超えた『誹謗中傷』や、本人の個人情報を特定すること。私はそういったことは望みません」 中学生をめぐる対応については「殺害予告をした以上、社会的責任は果たして欲しいと思いますが、その後はきちんと反省し、自分と他人を大切にする人生を歩んでほしいと願っています。そのためにも毅然とした態度で臨みます」と説明。 今回の事件化により、「それだけでなく、脅迫をするに至る細かい背景を知ることにもつながり、社会全体で考えるきっかけになり、再発防止への重要な一歩に繋げられるかもしれません」とした。 松永さんは、こうした対応に際しては「かつて娘がいた身として、出来ることを考え抜いた結果です」ともしている。 SNSユーザーに向け、「『批判』はあって然るべきで、それが議論に結びつくと思います。しかし、それを超えた『誹謗中傷』や、本人の個人情報を特定しようとする動きはどうかお控えいただきたいです」と呼びかけた。 松永さんの訴えには、「罪を憎んで人を憎まず、立派な姿勢だと思います」「間違ってないです。むしろ若いうちに教えてあげて良かったです。辛かろう、寂しかろうと思いますが、これからも悲しむ人がない様活動してください」などとする声が寄せられている。