九州国際大付は3戦連続本塁打の破壊力 明治神宮大会20日開幕
来春の第94回選抜高校野球大会の出場校を選考する際の参考資料となる全国10地区の秋季大会が終了した。各地区の優勝校が出場する明治神宮野球大会(20日開幕、神宮球場)を前に、中国、四国、九州で行われた地区大会を振り返る。 ◇広島勢対決は広陵に軍配 中国 投打が高いレベルでまとまった広陵が30年ぶりの広島勢対決となった決勝を制した。右腕・森山は全4試合に先発し、防御率0・65。最速143キロの直球にスプリットやスライダーを交え、硬さから制球を乱した準決勝以外は無失点に抑えた。3番・内海、4番・真鍋は、ともに左のスラッガーで、2人でチーム全体の半分あまりの計12打点を挙げた。 準優勝の広島商は1回戦をサヨナラで制し、準決勝は八回に7点を奪って逆転勝ち。主将で3番の植松をはじめ、終盤の粘りが光った。4試合で延べ13人が登板した投手陣の整備が進めば、総合力がさらに増す。 4強の岡山学芸館はつなぐ打線が身上で、エース岡田景は左の技巧派。強打が持ち味の倉敷工(岡山)は3番の主将・福島をはじめ、中軸に振りの鋭い打者がそろう。【野村和史】 ◇高知が勝負強さを発揮し優勝 四国 優勝した高知は好機を確実に生かす攻撃で勝負強さを発揮した。長距離打者の高橋を軸に、4試合でチーム打率3割1分2厘、24得点と打線が活発だった。投手陣は打たせて取るタイプの山下、川竹の両右腕を中心に、小刻みな継投で目先を変えた。 準優勝の鳴門(徳島)はエース左腕・冨田に球威があり、3試合で22奪三振、防御率0・82と安定感があった。準決勝の明徳義塾戦は延長十一回を2失点で完投するなどスタミナも十分。冨田が先発しなかった決勝は4失策と守備に課題を残した。 4強の明徳義塾(高知)は今夏の甲子園で登板した左横手の吉村が2試合を完投して計4失点。守備も無失策と伝統の堅守は健在だった。同じく4強の徳島商は2年生右腕・安芸や1年生右腕・森煌を中心に、継投で粘り強く戦った。【伝田賢史】 ◇3試合連続満塁本塁打の破壊力 九州 九州国際大付(福岡)が強打で初優勝した。チーム打率は3割9分1厘を記録し、準々決勝から3試合連続で満塁本塁打が飛び出した。1番・黒田、4番・佐倉らを中心にパワーもつなぎもある打線は迫力十分だ。失策なしの堅守も光った。 奄美大島にある大島(鹿児島)が初の準優勝。1回戦が引き分け再試合となり、準々決勝まで4日間で3試合をエース左腕の大野が一人で投げきる鉄腕ぶりを発揮。準々決勝では緩急巧みな投球で実力校の興南(沖縄)を完封した。 4強の有田工(佐賀)は右腕の塚本が大黒柱。制球良く準々決勝まで2試合連続完封を成し遂げた。打線は終盤に適時打を放つ勝負強さがあった。同じく4強の長崎日大は1回戦で1イニング10得点するなど打線に力がある。右腕の種村と左腕の川副の二枚看板は安定感があった。【吉見裕都】