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日本学術会議に対して作家・百田尚樹が唱えていた正論

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デイリー新潮

 安倍政権の頃に比べると、発足直後の菅政権下では、左右の対立はさほど激しくないように見えた。実のところ、菅総理が打ち出した「携帯電話料金値下げ」にせよ「縦割りの排除」「デジタル化推進」にせよ、表だって反対をしづらいものばかりだったからだ。 「若い頃から左翼が嫌いでした」 百田尚樹氏インタビュー  そこに降ってきたのが日本学術会議の任命拒否問題である。  従来と異なり、6名の学者の任命を拒否した菅総理に対して、当の会議はもちろん、一部学者、有識者から強い反発が起きたのだ。6名が過去、政府の安保関連の政策などへの反対を表明していたことが理由ではないか、という見方から、特に左派が一斉に批判に回ることとなった。 「政権批判をしたから任命拒否したのだろう」というわけだ(菅総理はこれを否定)。  この任命拒否問題はある意味で、攻め手に事欠いていた勢力に材料を与えたとも言えるだろう。

 主要新聞のスタンスは、社説の本数とタイトルだけで概ねわかる。  朝日新聞は以下の通り。 「学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙」 「学術会議人事 説得力ない首相の説明」 「学術会議問題 論点すり替え 目に余る」  毎日新聞は 「学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ」 「学術会議巡る首相発言 これでは説明にならない」 「学術会議人事と菅首相 理由示せないなら撤回を」  読売新聞は 「学術会議人事 混乱回避へ丁寧な説明が要る」  産経新聞は「主張」欄で 「日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ」  大雑把に言えば「許せない! 撤回せよ!」を連発する朝日・毎日に対して、「いい機会だから日本学術会議をどうにかせよ」の産経、「まあちょっと落ち着いて」の読売、というところだろうか。 「許せない!」側の論理は簡単にいうとこうなる。 「日本学術会議の人選は実質的に会議側にある。政権が介入するのは学問の自由への侵害だ。政府に反対意見を言う学者を粛正するのと同じだ」  こうした論理を展開する著名人も多い。法政大学の田中優子総長は大学のHPで以下のような声明を出している。 「この問題を座視するならば、いずれは本学の教員の学問の自由も侵されることになります。また、研究者の研究内容がたとえ私の考えと異なり対立するものであっても、学問の自由を守るために、私は同じ声明を出します。今回の任命拒否の理由は明らかにされていませんが、もし研究内容によって学問の自由を保障しあるいは侵害する、といった公正を欠く行為があったのだとしたら、断じて許してはなりません」  一方で産経に代表される「日本学術会議そのものを見直せ」という人たちの論理はこうだ。 「税金を投入している、内閣府の傘下にある組織である以上、政府に任命権があるのは明らかだ。そもそもなぜ日本学術会議のメンバーを政府が選ぶことが、学問の自由を侵害することになるのか。日本学術会議と関係ない研究者のほうがはるかに多いではないか。従来から問題があった組織を見直すいい機会だ」  日本学術会議に対して厳しい見方を示す人たちには、過去に同会議が発表してきた声明や提言等への反発がある。  特に問題視されているのが、2017年に発表した「軍事的安全保障研究に関する声明」である。 「大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる」(一部を抜粋)  これもごく大雑把に言えば、軍事関連の研究を大学が進めることに強い警戒心を示し、厳格な縛りをかけようという訴えである。  田中法政大学総長は、「研究者の研究内容がたとえ私の考えと異なり対立するものであっても、学問の自由を守るため」には行動を厭わないと表明しているのだが、少なくとも軍事研究に対して日本学術会議は「我々の考えと異なる研究は事前に審査せねばならない」と物申して自由に制限をかけていたことになる。

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