マイコプラズマ過去最多も「せき止め薬」が足りない…?“長引くせき”に悩む患者が急増
「ここはもう…ない。メジコン(せき止め)もない。咳止めの薬は不足してますね」 ここ数年、問題なっているのは“せき止め薬の不足”。これはただ単に「せきを訴える患者が増えているから」というだけではありません。 薬の在庫不足は2020年、福井県の小林化工など製造過程で不正が発覚した後発医薬品メーカーで業務停止が相次いだことに端を発します。 赤丸邦夫 管理薬剤師 「(法改正に伴い)国の方で見直し…各メーカー製造ラインの見直しがあって、それで流通が滞っている」 一方で医療費を削減したい国は、年々薬の公定価格を切り下げているため、国内メーカーはコスト削減に迫られます。ここに円安が追い打ちをかけ、海外から医薬品の原料を輸入しづらい状況に陥っています。 この煽りを大きく受けたのが価格の低い「せき止め薬」です。厚労省は去年、コロナ禍前のおよそ85パーセントまで生産量が低下していると発表しました。 ここ最近は特に子ども向けの粉薬が足りておらず、薬局側も対応に追われています。 赤丸邦夫 管理薬剤師 「この薬を粉砕している、お子さん用に。粉薬はないものもあるから、大人用の錠剤を粉砕している」 はあと薬局では不足分を補おうと漢方薬を入荷するなどして対応していますが、今後の見通しには不安が残ります。 赤丸邦夫 管理薬剤師 「(せき止めは)11月から来年の春先まで非常に需要があって供給体制が追い付かないかも…」 ■「供給追い付かない」ジェネリック医薬品の不足が常態化 Q 医療現場でも、薬の不足は実感することがありますか。 中澤佑介 医師 よくあります。大手のドラッグストアに併設している薬局などであれば薬の確保は十分だけど、個人の薬局だと入荷数が足りなくて“この薬が足りないんですけど”という問い合わせを受けることは多い。 Q せき止め薬など身近な薬がないのは不安だが? 私たちの場合は困っている人が病院に来ているので、代替薬があるのかを確認してあれば処方、ない場合は漢方薬などを使うことも時としてある。