『おむすび』“サッチン”山本舞香の痛ましい過去が明らかに ギャルマインドが繋いだ友情
初めて笑顔を見せたサッチン(山本舞香)
「サッチンはギャル」と思いもしないことを言われ、笑みをこぼす沙智。教室の影から2人を見守っていた森川(小手伸也)のセリフにもある通り、これが沙智が見せる初めての笑顔。そこから佳純を入れた4人で、1週間ぶり(第40話ぶり)の“あれ”こと、プリへ。「恥ずかしい」とプリント機の筐体を出る沙智の肩を掴み、森川が「逃しませんよ」と中へ連れ戻す。引き攣った口元に、眉毛がびくんと動き、よく見ると沙智がどんどん表情豊かになっていっているのが分かる。満面の笑みのユイ、カスミン、モリモリと比べると、サッチンはいまだ仏頂面だが。 結の専門学校での一方で、いまだ復興することがない孝雄(緒形直人)の心と、孝雄に向き合おうとする聖人(北村有起哉)と歩の姿も描かれた。第10週のタイトルは「人それぞれでよか」。『おむすび』放送開始前の8月21日に開かれ、橋本環奈、新納慎也、緒形直人が参加した神戸ロケ取材会は、まさに第10週、第50話(12月6日放送予定)で描かれる「商店街の防災訓練のシーン」を収録した後に行われた会見だった。筆者はこの取材回にリモートで参加していたが、今改めて記事を読むとキャスト陣の役や震災に対する思いが伝わってくるだけでなく、橋本が神戸での撮影で印象に残っているのが、袴を着た卒業式のシーンという、今後の展開を想像させるコメントもある。
渡辺彰浩