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有名作家の書いた小説に「オクタの目玉」や「ハイラルダケ」など、なぜか『ゼルダの伝説 BotW』のアイテムが登場。Google検索を過信したために完成した楽しいイースターエッグ

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電ファミニコゲーマー

 Google検索は必ずしも信頼できるわけではない。しっかりと正しいことを確認しなければ、時として洒落にならないミスを引き起こし、場合によっては自分の小説に意図せず楽しいイースターエッグを仕込むことになる。 【この記事に関連するほかの画像を見る】  アイルランド人作家ジョン・ボイン氏が書き上げた新作小説『A Traveller at the Gates of Wisdom』(知恵の門の旅人)の、とあるページがRedditにて紹介されて話題になっている。海外メディアKotakuやThe Vergeがその顚末を報じている。  このページには、登場人物の衣服の染料について書かれており、材料には「姫しずか」(the silent princess plant)、「オクタの目玉」(Octorok eyeball)、「キースの羽」(keese wing)など、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に登場した素材が多数あげられている。  この小説はゲームの内容を引用したものではなく、ある4人の家族が2000年に及ぶ人類の歴史の中で出会いと別れを繰り返す、現実の歴史をもとにしたものだ。このページには、5世紀ごろにフン族やその諸侯の王として君臨したアッティラが登場している。史実の登場人物も登場し、家族は時空を超えてさまざまな時代で何度も出会い、運命を共にする。  ファンタジー小説ではあるが、5世紀頃の赤い染料の代わりに架空の材料を使った染料が出てくる理由もない。  なぜこのようなことが起きたのだろうか。スレッドの住人や脚本家のダナ・シュワルツ氏が注目したのは、赤いドレスの染料についての記述だ。材料は、「ポカポカ草の実」(Spicy pepper)、「リザルフォスの赤しっぽ」(The tail of the red lizalfos)、「ハイラルダケ」(Hylian shroom)と説明されている。  そして、「ingredients to dye clothes red」(服を赤く染める材料)をGoogleで検索すると、トップに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の攻略情報が表示される。そこには前述の材料が示されているので、右側のゲームのスクリーンショットに気がつかなければゲームのものだとは気がつけないかもしれない。  作者はこの部分を確認し、サクッと自著にこれらの材料を赤の染料として引用したのだろうと彼らは推理した。シュワルツ氏も気恥ずかしいとしながら、この勘違いを「楽しい」ものだと紹介している。  このイースターエッグがインターネットで話題になった後、著者のボイン氏も騒ぎに気がついたようだ。シュワルツ氏のツイートに「完全に正しいです」と、検索したものを直接載せたことを笑いながら認めた。電子書籍であれば修正はそう難しいことではないが、ボイン氏は修正はせずにこのままにしておくと語っている。  ボイン氏の著書は複数日本語訳も発売されている。『ヒトラーと暮らした少年』や2008年に映画化もされた『縞模様のパジャマの少年』は氏の作品だ。それほどの作家であってもこういったミスは起きる。おそらくこの赤い染料の材料は、小説内でさして重要な描写というわけではないのだろう。  Googleの検索アルゴリズムと、それをあまり気にしなかった作者と編集者のコラボレーションが生んだミスは、一部「バズを目的とした意図的な見逃し」という批判も見られるが、多くの人々が楽しんでいるようだ。 ライター/古嶋誉幸

電ファミニコゲーマー:古嶋 誉幸

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