羽織のお洒落が楽しい季節です! 柴田理恵のきもの遊び 「日日是“笑”日」
日日是“笑”日(にちにちこれしょうじつ)
女優の柴田理恵さんが綴るきもの日記。きもののリメイク術から、愛犬との心温まる暮らし、得意の料理など、笑顔あふれる日常をお送りします。
シックなきものにインパクトを
秋もぐっと深まり、街ゆく人の色とりどりのコート姿に心躍る季節となりました。きもののお出かけにおいても、羽織のお洒落が楽しい頃。私のきもの揃えにおいても、羽織は欠かせないアイテムです。 その理由の一つは、母や伯母からの譲られものがベースになっているため、きものから羽織に変身するケースが多く、自然とバリエーションが増えていったこと。 また、スタイリングの点でも、渋好みの私のきものに羽織をミックスすることで奥行きが生まれ、装いがブラッシュアップします。 さらに、母の姉妹がそれぞれに茶の湯を嗜んでいたため、きもの箪笥に占める色無地の数がかなりの量。無地のきものをキャンバスに見立て、帯と羽織、小物類の組み合わせを替えるだけで無限にコーディネートが広がることも、羽織というアイテムに惹かれる大きな理由です。
まず、ご紹介したいお気に入りは松葉色の色無地のきものと、江戸小紋を切り嵌めで仕立てた一枚です。《鳥獣戯画》の長襦袢地を羽裏に用い、小粋な味つけにしました。 グリーンの濃淡を組み合わせているため、春先は木々の芽吹きを感じさせ、お正月には常緑の松を映したようでおめでたい印象を演出できます。
今頃の季節でしたら、ご覧のように茶系の濃淡を切りはめしたきものと合わせて秋色のコーディネートに。 羽織紐によっても印象が変わり、組紐を使えば小粋な雰囲気に。孔雀石をグラデーションに連ねたものを合わせたら、ビジュー感覚でぐっと洒落た雰囲気となります。
お太鼓結びの膨らみが、柔らかな流線を描き、自然と裾つぼまりになるシルエットは、羽織るだけでスタイルアップを叶えてくれます。
こんなふうにちゃきちゃき歩いても、なんだかさまになると思いませんか?!