「イランの攻撃は打ち負かされた」 米高官、迎撃成功との見方示す
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は1日の記者会見で、イランがイスラエルに向けて200発近くの弾道ミサイルを発射したと明かした。その上で、「米海軍の駆逐艦がイスラエルの部隊と協力してミサイルを迎撃した」と説明。「この攻撃は打ち負かされ、効果はなかったように見える」と述べた。 【写真】イランのミサイルが迎撃される様子 サリバン氏は、イスラエル側と協力して被害状況などを評価している最中だとしつつ、「現状では、イスラエルでの犠牲者や航空機、軍事関連の被害は把握していない」と強調。一方、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区エリコでは、パレスチナ人1人が死亡したとの報告があるという。 また、イランの攻撃が「事態を激化させる重大な行為だ」との認識を示した。ただ、今回の攻撃に対するイスラエル側からイランへの「報復」については、「イスラエルとの話し合いを続ける。第一に米国の国益を確保し、最大限の安定を促進するために適切な次のステップを検討する」と述べるにとどめた。 バイデン大統領はこの日、イスラエルの防衛を支援するよう米軍に指示。ハリス副大統領とホワイトハウスのシチュエーションルーム(作戦司令室)で事態の推移を注視し、担当者から報告を受けた。 バイデン氏は記者団にイランによる攻撃は効果がなかったとし、「米国は完全にイスラエルを支持している」と表明。ハリス氏も「イランは中東を不安定化させる危険な存在だ。イスラエルは我々の支援を受けて攻撃を撃退できた。我々の共同防衛は効果的で、多くの命を救った」と強調した。 また米国防総省のライダー報道官は1日の記者会見で、ミサイルはすべてイラン国内から発射され、弾道ミサイルの数はイランが4月にイスラエルを攻撃した際の2倍だったと明らかにした。また米軍の駆逐艦2隻から発射された迎撃ミサイルが、イランのミサイルを撃ち落としたという。【ワシントン松井聡】