干物店が洋服を販売 叔母の不要品を利活用 売り上げを能登へ―熱海
熱海市中央町の老舗干物店「藤元」は12~16日、通常の商品に加え、洋服を販売する。店主の娘、藤間弥生さん(60)が企画した。叔母の洋子さん(93)が買い集めて着なかった新品約70点を500円均一で提供し、売り上げは能登半島地震被災者に送る。弥生さんは「伊豆山土石流災害時は全国から助けてもらった。熱海市民からの恩返しとして、困っている人の力になりたい」と思いを語った。 店舗2階に住む洋子さんと相談し、不要品の利活用として発案。同店が加盟する本町商栄会の13、14日の売り出しイベントに合わせ、実施を決めた。販売日前日の11日、弥生さんが女性用M、Lサイズの上着やスカートなどの“新商品”を長机に陳列した。 販売期間中は来客が自由に手に取って選んでもらえるように、店舗の歩道側に並べるという。 同店は今春も約1カ月間、部屋を整理して不要となった品を店舗入り口に並べ、募金箱を置いて善意を募った。服の収益は集まっている浄財と合わせ、被災地に寄付する。服が売れ残った場合は市内の高齢者施設に寄贈する予定。 使わなくなった服が本当に必要な人に届き、売り上げは被災者の力となる企画。弥生さんは「今回の販売は近江商人の『三方よし』の考えにも通じる」と話し、「多くの市民にぜひ活用してほしい」と呼びかけている。
伊豆新聞デジタル