『笑うマトリョーシカ』高岡早紀の正体が判明し考察進む 清家が親子丼を食べたがる皮肉も
エリック・ヤン・ハヌッセンは、ヒトラーお抱えの“預言者”と言われた人物でもある。TBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』第4話では、まるで「予言の書」であるかのような美和子(田辺桃子)こと真中亜里沙のシナリオの内容がついに明らかになった。 【写真】正体が判明した謎の女性(高岡早紀) 清家(櫻井翔)からの「今後はあなたのために連絡は取らない」という言葉が気がかりな道上(水川あさみ)だが、鈴木(玉山鉄二)の助けで美和子のシナリオを入手。シナリオ「最後に笑うマトリョーシカ」は、清家、鈴木、亜里沙の関係を反映したストーリーだった。 エリック・ヤン・ハヌッセンと同じく43歳で命を落とす秘書や、秘書殺害の裏にいる妻の存在など、不気味な展開が描かれるが、最大の衝撃は、結末で登場する代議士の母だ。「お母さんに任せておけば大丈夫」という台詞で終わるこのシナリオは、なんとも不気味で後味が悪い。このシナリオのエンディングや登場人物に、そして美和子が偽名だったことに鈴木も困惑を隠せない。 シナリオについての謎が残る中、何者かによって道上の勤める新聞社に圧力がかかる。道上は会社を辞めフリーのジャーナリストになることを決断したのだった。 道上がまず訪れたのは、群馬にある真中亜里沙の実家だ。亜里沙の母親から、彼女が18歳で家を出て以来、行方不明になっていることを知らされる。また21年前、亜里沙が一時帰宅した際に「金のなる木」を見つけたと語っていたことも明らかになる。さらに、三好美和子は、亜里沙の同級生の名前だったことも判明。しかし、肝心の亜里沙の所在は依然として不明のままだ。 元同僚の山中尊志(丸山智己)の誘いで出版社に移った道上は、次なる調査対象として清家の母、清家浩子に焦点を当てる。しかし、鈴木も清家の母親に関してはあまり情報を持っておらず、調査は一筋縄では行かない。そんな中、道上は小料理屋で謎の女性(高岡早紀)と遭遇する。 後日、浩子の手がかりを掴むべく、道上は清家の出身地である愛媛へ向かう。清家の実家を訪れるが、そこはすでに空き家となっていた。浩子は結婚しており、清家という苗字は結婚後のものだと判明。さらに、浩子の夫もまた不可解な交通事故で命を落としていたことが明らかになる。そこで道上は、自分が小料理屋で会話した相手こそが、浩子だったと気がつくのだった。 「あの子と一郎くんを引き離してほしいの」 高岡早紀演じる「謎の女」の正体が明らかになったことで、第4話は考察が大いに捗る展開となった。 何より、清家を取り巻く人々の「不審な死」の繋がりが見え始めたことが大きい。武智議員の死が愛媛で起きたこと、そして浩子がその愛人だった可能性が浮上。さらに、鈴木の回想から、浩子が当時一郎と付き合っていた亜里沙をよく思っていなかったことも判明した。現在行方不明となっている亜里沙の状況も、物語の重要な謎として気がかりだ。 「亜里沙はすでに殺されているのではないか」という考察も成り立つが、群馬で実の母が語った「彼女はどこかで生きている」という“母親の勘”も侮れない。今回のエピソードでは親子の強い繋がりがあらゆる角度から描かれており、それを象徴するかのように、清家が最後に「親子丼」を食べたがるという皮肉なシーンもある。清家のハヌッセンと思われる人物は鈴木、亜里沙、浩子……と回を追うごとにその姿を変えていくようにすら見える。 道上と息子のロッキー探しのエピソードを通じて、母子の絆の温かさを描いた第4話。しかし、その一方で、清家を巡る“仄暗い”親子関係の存在が物語の影に潜んでいることを予感せずにはいられない。
すなくじら