【有馬記念】距離延長で前進見込めるプログノーシスを推奨 押さえておきたいベラジオオペラとレガレイラ
押さえておきたいべラジオオペラとレガレイラ
【べラジオオペラ】 今春の大阪杯で悲願のGⅠ初制覇を達成。同レースでは11番枠から五分のスタートを切り、ハナを主張したスタニングローズの外2番手で折り合った。道中はスローペースだったが、上手く2番手で進め、3角手前で外からローシャムパークが上がってくると、同馬に抵抗して仕掛ける。 4角ではローシャムパークの前に出て、2番手で直線へ。直線序盤でスタニングローズを捉えて半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで外からしぶとく食らいつくローシャムパークをクビ差で振り切って勝利した。 次走の宝塚記念では2列目の外から進み、最後の直線で馬場の良い外に出ると、ラスト1Fで先頭に。そこから苦しくなってしまい、外からブローザホーンやソールオリエンスに差されて3着に敗れた。しかし、勝ちにいっての結果で、悪い内容ではない。 前走の天皇賞(秋)は最後の直線で伸び切れず6着だったが、休養明けの影響もあったのだろう。今回は叩かれて前進が見込める一戦。逃げ馬不在、先行馬が手薄であることから、前で流れに乗れるなら通用していい。 ただし、逃げてしまう可能性もあり、それが本命に推しづらい理由だ。2500m戦はスローペースでも逃げ切るのは容易ではない。大阪杯や宝塚記念のように2列目からレースを進めることができればチャンスがある。 【レガレイラ】 GⅠ昇格後のホープフルSを牝馬で初めて優勝。このレースは13番枠から出遅れて後方からの競馬となったが、直線で差しきって3/4馬身差での勝利。3~4角で大外を回るロスがありながらの結果で、強い内容だった。今春は牡馬クラシックの皐月賞と日本ダービーに参戦したが栄冠には届かず、秋は牝馬路線に矛先を向けてきた。 前走のエリザベス女王杯は5着。7番枠から五分のスタートを切った後、挟まれてやや狭くなったが、促してしっかりと位置を取った。道中は外へ誘導できずに中団中目で進めて、手応えの怪しいキミノナハマリアの後ろで3角へ。 3~4角で前のスペースを維持しながら他馬の仕掛けを待つが、ペースは上がらず、外にも出せずといった厳しい展開になってしまう。直線序盤では狭いところをこじ開け、3列目を維持。ラスト1Fで追われたが、じわじわとしか伸びず5着だった。 前走時は最後の直線で、前をこじ開けるしか上位を狙える手がなく、鞍上のC.ルメール騎手が悪かったとは思わない。しかし、前々走のローズSでも最後方から仕掛けが遅れる形で敗れており、同騎手とは手が合っていないとみる。 本馬はアーバンシックとほとんど同じ血統(父はスワーヴリチャード、母ロカはアーバンシックの母エッジースタイルの全姉)であり、アーバンシック同様、ポジションを取りにいくでも、最後の直線一気にかけるのでもなく、徐々にギアを上げていく競馬が合っている。 少なくともホープフルSはそのような内容で勝利しており、距離が長い舞台は歓迎だろう。3歳牝馬で斤量が54kgと軽い点も好ましく、一考したい。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)プログノーシスの前々走指数「-20」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.0秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値 =(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ