『ゲームの達人』が揃った「地面師」たちの“余罪” 55億円「積水ハウス事件」主犯格の配役は
積水ハウス事件前の一仕事(カミンスカス操)
4月末、警視庁が「地面師グループ」の男4人を逮捕した。偽造書類を使って東京・中野区沼袋の土地の所有権を移そうとした疑いである。実は、グループの指示役の上野健二容疑者は“大物地面師”カミンスカス操らの一味だった。渋谷区富ケ谷の土地取引を巡る「手付金詐取事件」で、昨年1月、ともに逮捕されていたのだ。(以下は「週刊新潮」2020年3月12日号「MONEY」欄より) 「地面師」。一般的には馴染みの薄い「職業」が、一躍知名度を得たのは「積水ハウス地面師事件」からだった。事件の舞台は、東京・JR五反田駅近くの老舗旅館「海喜舘(うみきかん)」。女将の「なりすまし役」やその「手配役」、書類の「偽造役」といった配役を揃え、まんまと積水ハウスから55億円を騙し取ることに成功した。最後は、警視庁捜査2課に一網打尽にされたものの、実は未だに55億円の大半は行方がわかっていない。 たとえ、手が後ろに回ることになっても、地面師とは割りに合う職業なのか、繰り返し犯行に及ぶ。 2020年2月10日、警視庁捜査2課に再度捕まったのは、積水ハウス地面師事件の主犯格の一人、内田マイクら5人。積水ハウスを罠にかける直前の2016年12月、渋谷区内の土地を所有する90代の女性になりすまし、都内の不動産会社への土地売却を装って虚偽の所有権移転登記をした容疑だ。逮捕された5人のうち4人が積水ハウスの事件の登場人物だったわけだが、実は、内田同様に主犯格で、一時フィリピンで酒池肉林の逃亡生活を送ったカミンスカス操も時を同じくして、別の詐欺を仕掛けていたのである。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より) ※肩書などはすべて掲載当時のもの
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「週刊新潮」2020年3月12日号「MONEY」欄掲載