今年1月に事業停止していた木造建築工事業者の考建(愛知県)が破産開始 取引先の倒産で資金繰りが悪化していた
ウッドショックによる資材価格高騰や、新型コロナウイルス感染症拡大も影響
1月31日までに事業停止していた(株)考建(資本金8600万円、愛知県名古屋市名東区上社4-89、代表清水丈裕氏)は、6月30日に名古屋地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人は朴憲洙弁護士(名古屋市中区丸の内3-5-10、名城法律事務所、電話052-961-3090)。債権届け出期間は8月1日までで、財産状況報告集会期日は11月17日午後1時30分。 当社は、1998年(平成10年)2月設立の木造建築工事業者。以前は自社ブランドのほか輸入住宅のFCに加盟して戸建住宅の新築工事を手がけ、東京や静岡にも営業拠点を設けていた。その後、業務効率化や業界全体による職人不足を背景とした請負需要の拡大に対応するため2019年4月にグループの再編を実施。その後、当社はグループ企業や地元ハウスビルダーなどの下請けとして施工工事を行い、2020年6月期には年売上高約37億9100万円を計上していた。 しかし、売り上げは伸びていたものの収益性は低調だったうえ、グループ企業への貸付金が固定化していたため財務面は脆弱だった。この間、2019年7月に取引先の倒産で多額の焦げ付きが発生し資金繰りが悪化。加えて、ウッドショックによる資材価格高騰や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、2021年6月期の年売上高は約31億円にダウンするなど業容低迷を余儀なくされていた。今年に入ってからは取引先に支払い延期要請を行ったものの、資金繰り改善の見通しも立たなくなり事業継続を断念。1月31日までに事業を停止していたところ、今回の措置となった。 負債は約37億4679万円。