『筑後川花火大会』3年ぶり開催を前に花火師らが喜びの声
FBS福岡放送
5日夜は、3年ぶりに再開される大きなイベントがあります。福岡県久留米市の夏の風物詩『筑後川花火大会』です。見る人だけでなく花火を打ち上げる人も、期待に胸を膨らませています。 5日、久留米市の水天宮では、出店の準備が着々と進められていました。 筑後川花火大会は、いまから360年以上前、この水天宮が建てられたときに奉納された花火が起源とされています。 ■屋台を出店する女性(70代) 「一番うれしいよね。(この日を)待っとったもん。頑張って作ります。」 毎年8月に開かれる『筑後川花火大会』は、例年40万人以上が見物に訪れる西日本有数の花火大会ですが、新型コロナウイルスの影響で去年、おととしと開催が見送られました。 福岡県みやま市にある塚本花火工業の花火師・塚本享央さんは、花火に携わって30年以上のベテランです。 その塚本さんが初めて演出を担当したのが、32年前の筑後川花火大会でした。 ■塚本さん 「僕の演出を見てもらって、お客さんから拍手と歓声をいただいて、すごく感動して鳥肌が立って涙が出たという記憶があるので、思い入れがある花火大会。」 ■塚本さん 「これはですね、2019年の花火大会が終わって、それから作り込んだもの。」 しかし、多くの花火大会が中止となったこの2年あまり、塚本さんの会社ではほとんど花火を作れず、収入は9割ほど減っていました。 その苦境の中から、ようやく見えた明るい光です。塚本さんは3年ぶりのこの日を、心待ちにしていました。 ■塚本さん 「やったー!よっしゃー!みたいな。すごくうれしくて。この玉たちはいつになったら、日の目を浴びるんだろうかと早くどこかで上げたいなと常に思っていた。」 5日夜、塚本花火工業が打ち上げるのは約2千発です。とっておきの演出も準備しているようです。 ■塚本さん 「会場全部が柳で埋め尽くされるじゃないですけど、そんな演出を考えている。そういう時(“コロナ禍”)だからこそ夜空を見上げてもらって、すごくきれいな花火をきれいだなと思ってみてもらえるだけでも、気持ちが晴れるんじゃないかなと。あしたは皆さんに感動を与えられたらと思う。」 そして5日、打ち上げ開始の8時間前から会場で場所取りをする人の姿がありました。 ■長崎から訪れた女性 「朝5時半に起きて佐世保から来ました。主人の出身が久留米で、若いときに見たときの思い出があったので、ことしは見られるかもと思って休みを1か月前からとってやってきました。」 ことしの筑後川花火大会は混雑を避けるため、打ち上げの数を例年の約半分に減らし、本来は1時間半の開催時間が30分に短縮されます。 筑後川花火大会は、5日午後7時40分から打ち上げ予定です。