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欲望に忠実な奇人 バイきんぐ・西村こそ「真の芸人」だ【今週グサッときた名言珍言】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【今週グサッときた名言珍言】 「嫉妬とかじゃないですね。嫉妬じゃなくて、やっぱこいつ面白えなぁと思って見てますよ」(西村瑞樹/フジテレビ「ボクらの時代」10月11日放送)  ◇  ◇  ◇ 「バイきんぐ」の2人は小峠英二と西村瑞樹(43)とで、それぞれ“ピン”の仕事が多い。小峠はコンビで出演することについて、「西村が隣にいたほうが怖いよ。わけのわかんねぇこと言ったりすんだもん」と笑う。一方、共演したサンドウィッチマンに「自分じゃない人に鋭いツッコミをする小峠を見ると、ちょっと嫉妬しないの?」と問われた西村の答えが、今週の言葉だ。その芸人としての「自我」のなさは驚異的だ。  オードリー若林は自分が司会だとしたら、ひな壇をどのような座組みにするか選ぶ企画「芸人ドラフト会議」で西村を5位に指名。その理由を「芸能界に執着がない人って番組に必要だと思うんすよ。番組の予定調和がそこでぐるっと壊れるんですよね」(テレビ朝日「アメトーーク!」17年4月13日)と説明した。  バイきんぐは2012年に「キングオブコント」(TBS)の優勝を機に、小峠が大ブレーク。ある時期のテレビ出演は小峠80本に対し、西村が3本というコンビ格差が生じてしまったが、一部では西村の変わり者っぷりが注目された。  例えば番組のドッキリ企画で水をぶっかけられても、芸人らしいリアクションは皆無。にもかかわらず、へそにピアスを開けるよう提案されると喜々として受け入れる。  仕事がなく、時間があるからといって3~4カ月で12回もキャンプに行く。オードリー春日とウーマンラッシュアワー中川と一緒にキャンプファイアしながら、お笑いについて語ろうとしたら、火をつけてから誰もひと言もしゃべらなかったというエピソードもある。  車を買い替えるも、買ったのは前と全く同じ車種だったり、1000ピースのジグソーパズルを、引っ越し時も崩れないようキレイに梱包しながら、17年間、少しずつやり続けてもいる。コンビ歴24年でコント中、1回もアドリブを言ったことがないという。まさに「奇人」だ。  旅ロケに行き、資金が足りずゴールできないことが分かると「行けるところまで行きましょう」というスタッフを無視し、「ゴールできないのに行く意味が分からない」と、そこで旅をやめてしまって最後の資金で“打ち上げ”を行う始末。そんな西村を伊集院光は「ザ・人間」と呼ぶ。  空気を読み、場を成立させることがテレビにおける芸人の仕事になりつつある今、周りの状況なんて意に介さず、自らの欲望に忠実な彼の言動は、あまりにも独特だ。だが、実は彼のような奇人こそ、本来「芸人」と言えるのではないか。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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