タフなバスも口を使う『シャッドキャロ』ってナンダ!? O.S.Pプロスタッフ林晃大が徹底解説!!
O.S.Pの若手プロスタッフであり、野尻湖の新進気鋭の名ガイドとして知られる林晃大さん。彼の代名詞といえば、既に動画やブログなど各メディアでも紹介されている「シャッドキャロ」である。すでにスモールマウスレイクでは定番のパターンであるシャッドキャロについて根堀葉掘り聞いてきちゃいました! 【画像】シャッドキャロの仕掛け図などの画像集
――キャロライナリグといえばワームを使うのが一般的なイメージですが…もちろん、バスフィッシングに『こうじゃなきゃダメ!』という縛りというか、決め事みたいなものはないので、今回紹介するシャッドを使うのもアリだとは思います。ただ、ヘビーなイメージのキャロと、ライトなイメージのシャッドという組み合わせを何故思いついたのか、改めて教えてください。 林「あくまでも僕の認識ですが、野尻湖は春先になるとスポーニングに向けてシャローレンジへとバスが差してきて、ベイトフィッシュを盛んに捕食しています。そしてこれらのバスは、シャッドでよく釣れるんです。 ところがスポーニングが終わると状況は一変し、いわゆる『アフター』のバスは6m~10mといった深いレンジへと居場所を移動し、ボトム付近でエサを食べながら徐々に回復していきます。決して高活性ではないけれども食欲はあるので、やはりシャッドが活きる状況なのは間違いないのですが……いかんせん潜行深度が足らない。ならばシンカーで沈めてしまおうという発想から使われ始めたのが『シャッドキャロ』だと思います」 ――お使いになっているシャッドキャロ専用の『シンカーウィップ(O.S.P)』は、一般的なキャロライナリグで使う遊動式シンカーとは違って『固定式』を採用しています。これは何故ですか? 林「僕のシャッドキャロの使い方は、ボトムまでリグを沈めたらけっこうな勢いで強くジャークするので、遊動式シンカーをウキ止めゴムで固定する方法を採っても徐々にゴムがズレてきてしまい、ジャークの度にシンカーがスイベルの結び目に当たってラインが切れるというトラブルが多発したんです。だったら始めから固定式にしようということで、前後にラインアイを搭載した形になりました」 【画像】林式シャッドキャロ仕掛け図 ――なるほど。しかし、シンカーのフォルム自体は遊動式シンカーと同じ『砲弾型』ですよね? 固定式ならば前後同じ形を採用しても問題ないような気がしますが……。 林「実はコレにもちゃんとした理由があるんです。前方はジャークのときにできる限り水抵抗を減らしたいという理由から、砲弾型を採用しています。では、なぜ後方は砲弾型のように切り落とした形なのか? ジャーク直後はシンカー自体が若干キックバックするような動きを見せるので、それを極力防ぐために水抵抗が大きい形にしているんです」 ――ジャークしているとき、シンカーやシャッドはどんな状態になっているのでしょう? 林「僕は『2ジャーク1ストップ』というリズムを保つようにしているのですが、まずはシンカーを着底させ、直後からジャークを2回連続で入れます。このときシンカーはボトムから跳ね上がり、同時にシャッドは左右にダートしながらリップでボトムを小突いています。時折イレギュラーなアクションが発生すると、バスがバイトする可能性も高まります」 ――肝心のシャッドは…ダンク? ハイカット? それとも両方? 林「ダート性能を優先しているので『ハイカット』のノーマルタイプがメインになります」 林「ディープレンジを探るだけにDRと思われがちですが、DRは重心移動システムを採用しているので強めのジャークだとウェイトが後方に移動してしまうことがあり、バランスを崩してしまうんです。一方でノーマルタイプは固定重心なので強くジャークしてもバランスを保ち、キレのあるダートでバスを誘うことができます。ダンクはタダ巻き性能を重視したセッティングなので、ジャークをせずにドラッギングするだけならばアリだと思います」 ――タックルはどのような組み合わせで? 林「ドラグ性能を重視しているので、スピニングタックルになります。ボトム周辺を探り続けるのでリップが深く刺さり過ぎないようにして根掛かりを回避したい、そしてバスがシャッドを食ったらジ~っとラインが出てバイトだと明確に判断できるためにも、ドラグ設定はジャークした瞬間に1クリック『ジッ……』とラインが出るくらいにしています。 また、ロッドも全体的にハリのあるレギュラーテーパー仕様のMLアクションが理想です。一般的なバス用のMLアクションロッドはファストテーパーのモデルが多く、ジャークしたときにティップがアクションを吸収してしまってダートにキレがなくなってしまうのでご注意を」