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20代に忍び寄る「糖質中毒」にご用心! /糖尿病臨床医が教える新メソッドとは

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ストレスがたまると、つい甘いものに手が伸びてしまう人は少なくないはず。しかしそれは、疲労感や思考力の低下、イライラした精神状態を招く「糖質中毒(依存症)」への第一歩かもしれない。この中毒を放っておくと、肥満はもとより、糖尿病やうつ病、動脈硬化などの引き金になりかねない。 【画像】糖質中毒(依存症)チェックリストはこちら! そこで、糖質中毒予防のための運動や食事について、糖尿病臨床医として約50年の経験を持つうさみ内科院長・宇佐見啓治先生に話をうかがった。 危険な誘惑「イライラしたら甘いもの」 Q:糖質中毒(依存症)とは? どうして起こるのでしょう? A:糖質中毒とは、甘いもの(糖質)をやめたくてもやめられない状態になることです。糖質は脳のエネルギー源のひとつのため、疲れた時にはエネルギー補給のために甘いものを食べたくなります。しかも、糖質を摂取すると、脳にドーパミンという脳内麻薬が放出され幸せな気持ちになる。この幸福感を得たくてまた糖質を食べたくなるというのが、「糖質中毒」になる一因です。 糖質はケーキやチョコレートなどの甘いものだけでなく、白米やパン、麺類などの炭水化物にも含まれます。特に甘いものが好きでなくても、イライラを食事で解消するタイプの人は気づかないうちに糖質中毒になっているかもしれません。次のチェックリストのような症状がある人は注意が必要です。 「糖質といっても普通の食品だし、中毒になる前にすぐにやめられるのでは?」と思った人には、こんな実験結果を紹介しておきます。片方のレバーを押すと砂糖水、もう片方のレバーを押すとコカインを得られるケージにマウスを入れたところ、多くのマウスが繰り返し求めたのは砂糖水でした。つまり、糖質は麻薬より依存性が強いのです。 Q:糖質中毒になると、どんな症状が現れるのですか? A:糖質を摂ると30分くらいで血糖値が上がります。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。このブドウ糖をエネルギー源として体の各細胞に届け、血糖値の急激な上昇を抑える働きをするのが、膵臓から分泌されるインスリンです。糖質中毒の人は糖質を過剰に摂取するため血糖値は一気に上昇し、それを下げようとインスリンも多く分泌されます。 その結果、今度は血糖値が下がり過ぎて空腹感や倦怠感、イライラや眠気が現われます。脳はこれをエネルギー不足が原因と捉えるため、再び糖質が欲しくなり、摂取して血糖値上昇、血糖値低下でイライラ……と、糖質中毒ではこの状態が繰り返されることになります。 近年は、手軽さからハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、サンドイッチ、丼ものやカレーライスといった炭水化物(=糖質)メインの食事の機会が増えました。そうした食生活の変化も、糖質中毒への距離を縮めていると言えます。 ソフトドリンクの飲み過ぎが招く「ペットボトル症候群」 Q:「ペットボトル症候群」はどういう病気ですか? A:「ペットボトル症候群」は俗称で、正式には「ソフトドリンクケトーシス」といいます。ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクなど糖を含む清涼飲料水を大量に飲むことで急激に血糖値が上昇し、急性糖尿病の症状が現れるというもの。 具体的には著しい喉の渇き、倦怠感、吐き気などで、重症化すると意識障害や昏睡を引き起こすこともあります。清涼飲料水を飲むことが多い10~30代に患者が多いのも特徴のひとつ。個人差はありますが、500mlの清涼飲料水を1日複数本飲むという人は、意識的に水やお茶に切り替えた方がいいでしょう。 Q:糖質中毒やペットボトル症候群が将来に及ぼすリスクは? A:どちらも肥満のリスクが高まり、ひいては将来、糖尿病を発症する可能性があります。糖尿病は血管、神経、腎臓など多臓器に合併症をもたらす深刻な病気。しかも、自覚症状がなく靜かに症状が進行するため、気付いた時にはかなり悪化していることもあります。 日本の糖尿病患者数は予備軍を合わせると約2000万人、5人に1人が糖尿病のリスクを抱えています(厚生労働省「国民健康・栄養調査(2016年)」)。糖尿病は高齢者の病気という思われがちですが、若年層にも発症リスクはあり、近年は増えている印象があります。「若いから関係ない」と思わず、将来のためにも今から気をつけるようにしたいものです。 食事のコントロールと週3回の筋トレで脱・糖質中毒 Q:肥満の原因は“脂質”ではないのですか? A:昔は「脂質と糖質ならカロリーの高い脂肪の方が“悪玉”。脂肪やコレステロールを減らせば痩せられる」と言われていました。しかし、それは大きな誤解。実は、血糖値の急上昇を抑制するために分泌されるインスリンは脂質の燃焼も抑えてしまい、体脂肪増加の原因となります。血糖値を直接上げるのは糖質ですから、糖質こそが肥満の犯人と言えるのです。 しかも、約400万年の長い歴史の中で、人類が糖分を摂るようになったのはつい最近のこと。もともと人の体は糖質がなくてもエネルギーを作り出せるため、理論上は糖質摂取がゼロでも生きていくことができます。人の体は外部からの糖質摂取にまだまだ慣れていない状態ですから、それぞれに合った付き合い方をみつけていきたいものです。 Q:糖質との付き合い方のポイントを教えてください。 A:糖質を過剰に摂取しないために私が勧めているのは、「食事療法」と「運動療法」です。食事療法では糖質を控えるよう推奨していますが、ラーメン好きな人が「ラーメンをやめろ」と言われても我慢できないように、「糖質中毒」になっている人、なりかけている人がまったく糖質を摂らない生活を送ることは無理です。ストレスから、かえってドカ食いしてしまう可能性もあるでしょう。 そこで私が勧めているのが、夕食では炭水化物を食べないこと。朝食や昼食時は食べてもかまいません。夕食のときだけ、おかずはガンガン食べ、ごはんや麺類などの炭水化物をがまんする。これだけで血糖値は正常範囲で安定するようになります。私の患者さんも、多くの方が効果を上げています。 「運動療法」は、体内の糖分を消費する“無酸素運動”です。効果的に行うポイントは、(1)大きい筋肉を鍛える、(2)反復運動をする(8~12回)、(3)週3回行う(運動日の間に1日休みを入れる)の3点です。私が考案した手軽にできる無酸素運動が「7秒間スクワット法」。ぜひ、チェックしてみてください。 宇佐見啓治 うさみけいじ 昭和30年8月31日生まれ。福島県郡山市出身。昭和57年3月福島県立医科大学卒業後付属病院第二内科入局。昭和63年4月より福島赤十字病院内科に勤務。平成5年より内科部長として勤務。平成9年10月、福島県郡山市に開業し、現在に至る。約25年前から糖尿病の運動療法に筋肉トレーニングを取り入れ、食事療法との併用で目覚ましい治療効果を上げる。日本内科学会認定医。日本内視鏡学会認定医。日本医師会健康スポーツ認定医。 この監修者の記事一覧はこちら

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