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2台を乗り継ぐことになるメルセデス「S124」との邂逅

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マイナビニュース

少し古い名車をここ日本で所有し、乗り、ともに暮らしていると、どんな喜びがあり、またどんな苦労があるのか。メルセデス・ベンツ「S124」に出会い、ほれ込み、2台を乗り継ぐ自動車ライター・原アキラさんに、その悲喜こもごもを連載で語ってもらいます。第1回は「S124」との出会いから。 【写真】S124の所有1号機は「E220 ステーションワゴン」だった まずはクルマの解説から 一介の自動車ライターが、クルマを乗り換えた。新型コロナウイルスの感染拡大で、世の中が自粛ムード一色となっているこの時期に、である。「日本の経済活動を活性化させるために一石を投じた、エライ!」と褒めてくれる方(いないか……)、あるいは「何を呑気なことをやっているんだ!」とお叱りの方、はたまた、新型車の発表会や試乗会が軒並み中止・延期となったための「ネタづくり」なのではと勘繰っていただく方など、いろいろなご意見があると思います。 とはいえ、とりあえず買い換え自体は完了。クルマはメルセデス・ベンツのちょっと古い、おなじみのアレ、である。いわゆる“名車”と暮らしていると、日々どんなことが起こり、またどんな発見があるのか。メルセデスのヤングクラシックの奥深き顛末について、しばらく話を続けたいと思っております。 乗り換えたのは、メルセデス・ベンツのちょっと古いミディアムクラスのステーションワゴン、「イチニーヨン」である。正式名称は「S124」と呼ばれているもので、1986年にデビューした「W124」型セダンのワゴン版だ。デビューはセダンに約1年遅れてのことだった。当初、ワゴンは先代の「123」シリーズから引き続き、排気量の後に「TE」をつけた名称で呼ばれていた。 メルセデスでは1994年にラインアップを整理し、ミディアムクラスの名称を廃止して「Eクラス」と呼ぶようになった。さらに、ステーションワゴンを表す「T」やクーペの「C」といった符号もなくなり、Eの後に排気量、その後にボディ形状を表す文字を続ける、という形に統一されている。というわけで、筆者の愛車はS124型「E280 ステーションワゴン」。1994年登録の1995年モデルだ。 さらに124の話を続けると、デビュー当時のラインアップは2.3リッター直列4気筒SOHCガソリンエンジンを積んだ「230E」、2.6リッター直列6気筒SOHCガソリンエンジンの「260E」、3.0リッター直列6気筒SOHCガソリンエンジンの「300E」、3.0リッター直列6気筒ターボディーゼルの「300D」となっていた。 1990年には最初のマイナーチェンジが行われ、124は外観を大きく変更。従来型にあった黒の樹脂製モールをやめ、ボディ下半分を覆うプロテクションパネルを装着した。このパネルは、当時のメルセデス・ベンツでデザイン部門の責任者を務めていたブルーノ・サッコ氏の名前を取り、「サッコ・プレート」と呼ばれて有名になったものだ。 搭載するエンジンの性能も向上。AMGが開発を担当した3.0リッター直列6気筒24バルブの「300E-24」や4.2リッターV8の「400E」が登場した。ポルシェと共同開発した最高出力330PSの5.0リッターV8エンジンを搭載し、124型のフラッグシップとなったモンスターセダン「500E」も、このタイミングで誕生している。 1993年には2度目のマイナーチェンジを行い、小・中排気量モデルのエンジンをDOHC化。230Eは2.2リッター直4DOHCの「220E」、300Eは3.2リッター直6DOHCの「320E」となった。そして1994年には、先の名称変更とともに260Eが2.8リッター直6DOHCの「E280」になり、E500~E220は1995年(ワゴンは1996年)まで生産が続けられたのである。 124に詳しい方ならそんなのとっくに知っていらっしゃるだろうし、もっと詳細な情報をご存知とは思いますが、とりあえずこんなところでご容赦を。 S124からS124へ乗り換える 実は、筆者が買い換える前の車もS124だった。ちょうど7年前の2013年4月に購入したのは「E220 ステーションワゴン」。名前でお分かりの通り、最終モデルの1995年型である。購入したのは東京・武蔵野市の「後藤自動車」だ。 なぜ124を選んだかというと、その前に乗っていたのはBMWの「E46型 ステーションワゴン」で、使い勝手も走りも燃費もまったく不満は無かったのだが、一介の自動車ライターとして、なにか仕事の基準になるような確固たるクルマに、一度は乗ってみたいという思いがむくむくと浮かんできてしまったからである。 その観点からすると、124にたどり着いたのは自然の理だった(違う! という方も当然おられると思います)。124については、21世紀をまもなく迎えようとする2000年ごろ、「ゴルフ」の3や4を乗り継いでいた筆者が次車として一度は探したものの、まだまだ中古車としては高額で、手が出なかったという経緯もあった。それが2013年ごろになると、なんとか手に入れられそうな値段で市場に並ぶようになっており、たまたま見ていたご近所の「後藤自動車」のwebサイトに、2台のS124が載っていたのである。 1台は1995年式E280 ステーションワゴンで、価格は確か168万円。シルバーボディにファブリックシート内装で、直6エンジンを搭載したまさに「ピタリ」とくるクルマだった。とりあえず試乗を、と思って電話をしたところ、早くもその個体は他人の手に渡ってしまった、とのお返事。しかし、「もう1台ありますよー(知っています)、乗ってみますか?」とのお誘いを受けたのが、筆者のS124所有1号機となる、最終1995年式(登録は1996年)E220 ステーションワゴンだったのだ。 早速お店に伺うと、外装はシルバー、内装はグレーのファブリックで希望通りのもの。全長4,760mm、全幅1,740mm、全高1,490mmのボディは思いのほかコンパクトで、全幅が1,800mmや1,900mmの新型車を試乗することが多い筆者の感覚からすると、「おっ、小さいな」というファーストインプレッションだったのだ。 搭載するエンジンは最高出力150PS/5,500rpm、最大トルク21.4kgm/4,000rpmを発生する直4DOHCで、例のゲート付きギアシフトをドライブに入れるとプルプルという振動がステアリングを通じて伝わってくる感じが、「ちょっと古いクルマらしいね」というものだった。走行距離は7万7,250キロ。購入後はいろいろと手を入れる必要がありそうだったが、124はパーツを交換すると新車の感覚が蘇るクルマ、との言葉を信じて購入することにした。価格は112万円だった。 著者情報:原アキラ(ハラ・アキラ) 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。

原アキラ

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