【井上敏樹脚本の特撮シリーズ】あなたが一番好きな作品はなに?
アニメや特撮ドラマなど、さまざまな作品を手がけている脚本家の井上敏樹さん。初代「仮面ライダー」の脚本家であった伊上勝氏の息子としても知られ、自身も平成ライダー作品を手がけましたが、完全無欠なヒーロー像や単純な勧善懲悪には懐疑的であり、主人公を非常に人間くさいキャラクターにするなど、独自路線を貫いてきました。その革新的な作風が、90年代以降の特撮業界に与えた影響は計り知れません。 【画像:ランキング9位~1位を見る】 そこで今回は、井上さんがシリーズ構成・メインライターとして参加した特撮作品をピックアップして紹介していきます。
●鳥人戦隊ジェットマン
スーパー戦隊シリーズ第15作「鳥人戦隊ジェットマン」は、1991年から1992年に放送されました。本作がスーパー戦隊シリーズ初登板作品となった井上敏樹さんの人間ドラマを重視した考えが反映され、仲間内でのドロドロとした愛憎劇が盛り込まれていたのが見どころです。 その反響は非常に大きかったようで、子ども番組としての在り方に批判的な声もあった反面、「戦うトレンディドラマ」とも呼ばれ、高年齢層の視聴者からは高く評価されました。特に子どもと一緒に見ていた母親層からの人気が高かったという異色の作品です。
●超光戦士シャンゼリオン
「超光戦士シャンゼリオン」は、1996年に放送された特撮ヒーロー作品です。既存のヒーローとは一線を画す、“新たなヒーロー像”の確立を目指して制作された本作は、いい加減でやる気のない主人公をはじめ、強烈な個性を持つキャラクターたちが織り成す奇想天外なストーリーが特徴です。 随所にギャグを織り交ぜたシナリオに、斬新で実験的な演出の数々が見事に融合した作品となっており、この野心的な取り組みが視聴者に高く評価され、放送終了後もカルト的な支持を得ています。
●鉄甲機ミカヅキ
「鉄甲機ミカヅキ」は、2000年10月から2001年3月までの間で全6話、ほぼ月1のペースで放送された特撮作品。原作・監督は、井上さんがジェットマンでもタッグを組んだ雨宮慶太さんで、制作費10億円、撮影日数約1年と、映画並みの予算と時間が注ぎ込まれたハイクオリティーな大作となっています。