「痛い 熱い 苦しい」「凄まじい」実際に体験した人が語る熊スプレーの威力。熊対策で不幸な事態を回避するためのテクニック
クマスプレーの誤射について
何やら手に不穏な赤いようなオレンジのような液体が付着したため、急いで拭き取りましたが時既に遅し。液体に触れてしまった手が焼けるような熱さを感じるような、火傷をしたような痛み。そして不意に吸い込んでしまっていたのでムセるし、咳が止まらなくなる。挙げ句の果てに無意識に溢れる涙を手で拭ってしまい目までも焼けるような熱さと痛みが襲いもがく私。 そして側にいた主人までも巻き込んでしまい2人で苦しみ、その様子はさながら地獄絵図でした。 その時の痛みや症状は1~2日は続きました。こんな思いはもう2度としたくない! と気をつけていましたがその数年後、主人が誤射して私も巻き添えになり、再び地獄を経験してしまいました(笑)。その他、処分時なども多少浴びたり、その度に苦しんでいます。
何よりヒグマに遭遇しないようにする事が大切
クマスプレーを購入し装備したとしても、使用する際にはいろんなコツがあるので、理解した上で使用しないと、いざというときに威力を発揮してくれません。攻撃を受けた際の最終防衛手段はナイフやクマナタ、そして防御姿勢になります。 クマスプレーは命を懸けた最終防衛手段に入る前に、ある程度の距離を保ちながら攻撃を回避出来る可能性のあるものです。この距離を保ち冷静に対応が出来るか出来ないかが、生存への大きな分かれ道になると思っています。 ゲーム的な例えですが「ヒグマが現れた。どうする?」という状況において「攻撃する」を選択し「会心の一撃」をヒットさせて勝利するということは難しく、こちらが「痛恨の一撃」を受け致命傷を負った場合、この世には回復薬やふっかつのじゅもんがないので、そこで人生という物語が終わってしまいます。 クマスプレーを装備したから絶対大丈夫というわけではありません。生存出来る可能性が僅か1%でも上がる可能性があるので装備しています。 私はヒグマとの遭遇のトラウマで、二度と近づかなくなった河川もありますし、今でもヒグマが怖いし慣れることはありません。何よりヒグマに遭遇しないこと、クマスプレーを使う機会がないことが一番です。 北海道ではヒグマはどこでもいる、常に危険と隣り合わせであるという事を忘れずに行動する気持ちが大切だと思っています。全てを理解した上で渓流釣りや登山に行くならばクマスプレーを携帯することを私はお勧めします。 今後も、もしもの事が起きないように少しでもお伝えしていけたらな良いなと思っています。 それではまた次の記事でお会いしましょう。
小川 貴恵(おがわ・たかえ)
北海道出身、北海道在住の、TULALAフィールドスタッフ。釣り好きの父からの影響で、子供の頃からイワナ、ヤマメ、鮭釣りなどを始める。そのうち、自然と渓流魚の美しさに惹かれ、渓流トラウトをメインに狙うようになる。道内のトラウトフィッシングには精通しており、ルアーフィッシングを始め、フライフィッシングも行う多彩なアングラー。