【中国】6大銀の中間期は5行減益、金利低下に苦戦
中国6大国有商業銀行の2024年6月中間期決算が出そろい、中国農業銀行を除く5行が前年同期比で減益となった。全行の利ざやが縮小した。金融緩和の継続に伴う貸出金利の低下が背景にある。 農業銀行の純利益は2.0%増の1,359億元(約2兆7,900億円)だった。残る5行は、◇中国工商銀行:1.9%減の1,705億元◇中国建設銀行:1.8%減の1,643億元◇中国銀行:1.2%減の1,186億元◇交通銀行:1.6%減の453億元◇中国郵政儲蓄銀行:1.5%減の488億元――となった。6行の合計純利益は6,834億元。 減益が続出した背景には、中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和継続がある。人民銀は国内景気の低迷を受けて金利を段階的に引き下げており、貸出金利の相場は下がる一方だ。各行は預金金利を断続的に下げているものの、利ざやを維持するには至っていない。 各行が発表した中間期の利ざやを見ると、6行全てが前年同期比で縮小した。工商銀行は0.29ポイント縮小の1.43%で、縮小幅は最大だった。農業銀行、建設銀行、中国銀行も0.20ポイント以上縮小した。 6月末時点の不良債権残高は、6行とも増加。工商銀行は前年同期比218億元増の3,754億元で、不良債権残高と増加額がともに最大だった。 ただ、不良債権比率は郵政儲蓄銀行を除く5行が低下した。郵政儲蓄銀行は0.01ポイント上昇の0.84%。残る5行の不良債権比率は1.24~1.35%で、下落幅は0.01~0.03ポイントだった。 ■5大保険会社はいずれも増益 一方、中国5大保険会社の6月中間期は全て増益だった。 中国太平洋保険(集団)は37.1%の大幅な増益となった。中国人寿保険、中国人民保険集団、新華人寿保険は10%超の増益。中国平安保険(集団)は6.8%の増益だった。 6社の合計純利益は12.6%増の1,718億元となった。