JAL機長2人が乗務前日に大量飲酒、出発3時間以上遅れる…日航「欠航すべきだった」
日本航空は10日、豪州メルボルン空港を1日朝に出発する予定だった成田行き日航774便(乗客乗員114人、ボーイング787―8型機)で、男性機長2人(59、56歳)が前日午後に規定量を超えて飲酒した事実を把握できないまま、乗務させるトラブルがあったと発表した。 【図】いろいろありました…謝罪記者会見
乗務前のアルコール検査で基準を上回る数値がいったん検知されたといい、日航は「最終的にアルコール不検出を確認して出発したものの、前日の飲酒量を把握できていれば欠航すべきだった」としている。日航は5月、飲酒問題を含む5件の安全上のトラブルで国土交通省から厳重注意(行政指導)を受けており、国交省は事実関係を詳しく調べる。
日航などによると、2人は乗務前日の11月30日午後2~4時、メルボルンの飲食店で、社内規定を大幅に上回るスパークリングワイン1杯ずつとワインボトル3本を注文した。翌1日早朝、ホテルなどでの呼気検査でそれぞれアルコールが検出されたが、前日の飲酒量を隠したまま、「誤検知の可能性がある」などとして検査を複数回実施した。
2人は最終的に午前8時15分までに検査をクリアし、774便は2人と副操縦士1人の計3人の操縦により、3時間11分遅れで出発し、成田空港まで運航した。その後3日になって、2人は規定量を超えた飲酒を認めたという。
日航では4月、米南部ダラスの滞在先ホテルで男性機長が深酔いし、乗務予定の復路便を欠航させるトラブルを起こした。これを受け、日航は再発防止策の一環として、当面の間、すべてのパイロットと客室乗務員に対し、滞在先での「禁酒」を指示していたが、10月から「節度を持った飲酒」を認めていた。
日航の南正樹・運航本部長は「(国交省から)厳重注意を受けた中でこのような事態を発生させ、大変重大に受け止めている。再発防止の徹底を図る」と話し、滞在先での乗務員の飲酒を11日から再び禁じると説明した。