スーツビジネスは終わったのか 既製スーツからアクティブスーツへ 小島健輔リポート
ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。リモートワークの浸透が追い討ちをかける格好で、男性のスーツ離れが止まらなくなっている。スーツ市場はこれからどうなるのか。 【画像】スーツビジネスは終わったのか 既製スーツからアクティブスーツへ 小島健輔リポート
WWDJAPAN.comに掲載された「アクティブスーツ」に関する2つの記事のギャップがすごかった。2月16日の「“スーツに見える作業着”がブランド刷新、目指すは『上場&5年後100億円』」はオアシスライフスタイルグループ(以下、オアシス)の「ワークウエアスーツ」がブランド名を「WWS」に変えてロゴも刷新し、アスリートの寺田明日香さんをアンバサダーに起用してリブランディングするという華やかな記事。17日の「ワークマンが4800円でスーツ販売 裏返すと作業服に早変わり」は高機能・低価格が売りのワークマンが裏表ツーウェイの「ワークスーツ」を激安価格で売り出したというショッキングな記事だった。ビジネススーツ市場の縮小が加速する中、華やかなリブランディングとエッセンシャルな激安価格という両極の「ワークスーツ」がどう評価されるのか、価格も両極なだけに注目せざるを得ない。
"「WWS」とワークマンの価格差をどう見る"
オアシスの「WWS」は2018年にローンチして早くも年商10億円規模に成長し、「アパレル界のアップル」を標榜して25年2月期の年商100億円を目指している。水道工事現場から生まれた「スーツに見える作業着」は撥水・速乾・ストレッチ・通気性・イージーケアという「ワークスーツ」の機能性を備え、セットアップで税別2万8000円・3万円という「適正価格」が企業のユニフォーム需要を捉えて伸びてきた。
ワークマンの「ワークスーツ」は帝人フロンティアの「ソロテックス」や東レの「ドットエア」を使って開発したPB(プライベートブランド)のセットアップで、撥水・速乾・ストレッチ・通気性・イージーケアに加えてスーツとワークウエアをリバーシブルで使える優れものながら、セットアップで税込4800円(ジャケット2900円、パンツ1900円)という激安価格で売り出した。