<ボクシング>王者、内山高志が抱く初夢
内山の視野にあるのはWBCのベルトだけではない。IBFの同級王者、アルヘニス・メンデス(ドミニカ共和国)も、団体統一戦を模索していて、そのターゲットとして内山、三浦の名前を挙げている。 ■内山の初夢は「4団体統一」 「残りのボクシング人生もそう長くないでしょうから、WBC以外のベルトでも4団体の統一など盛り上がる試合をしていきたいという気持ちが強いですね」 34歳のチャンピオンは、そんな初夢を語った。 内山が所属するワタナベジムの渡辺会長は、「KOのイメージが強かった内山が、一流のテクニシャンであることを示した試合。アウトボクシングもできる。ゴロフキン(WBA世界ミドル級王者)に似ているという人もいる。私は、大晦日の試合を見て、後、3、4年はできるなと真剣に思った」と絶賛した。 内山のフィジカルトレーニングを指導している土居進トレーナーも「トレーニングさえ今のように続けることができれば37歳まではできると思います」と太鼓判を押していた。確かにアウトボクシングという新境地を開き、あと3年も時間があるならば、内山の日本人初となる4団体統一の夢もあながち夢物語では終わらないのかもしれない。 ■内山「他人への対抗心はない。一日一日強くなりたい」 私は、内山に、こんな質問をしてみた。 ――亀田問題などの騒動に巻き込まれ、その信用を失墜しかけていたボクシング界を自分が立て直すんだという気持ちがどこかにあるんじゃないですか? すると、内山は、ふと苦笑いを浮かべた。 「僕は僕。そこはなんとも思わないんです。井岡君や山中君がいい試合をしているじゃないですか? でも、そのことへの対抗心もない。一日、一日強くなりたい。昨日の僕よりも今日の僕なんです」 2014年の年明けから、いいアスリートの言葉を聞いた。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)