西岡復帰が阪神再浮上の切り札!
阪神が首位を陥落、右の代打の切り札だった狩野恵輔外野手(32)が死球による右手小指の骨折、上本博紀(29)も左太腿裏を痛めてチームから離脱した。崖っぷちのピンチに救世主としてクローズアップされてきたのが、2軍で調整中の西岡剛内野手(31)だ。 現状の代打陣をチェックすると、狩野の離脱で、頼れる勝負どころでの切り札は、右打者では関本賢太郎、新井良太がいるが、左打者は伊藤隼太がスタメンで起用されると不在だ。守備固め代走、つなぎ役の駒には心配ないが、ここ一番での左の切り札がいない。阪神のチーム事情からすると、終盤の継投策、8番に入るキャッチャーの鶴岡一成、藤井彰人の打力が物足りないため、下位打線では一気に代打攻勢で反撃していかねばならないケースが少なくなく、勝負強さと機動力を兼ね備える西岡への復帰待望論が高まるのも無理はない。 しかも、西岡の出場していた序盤の数字を見ると、優勝争いのライバルであるヤクルト戦で打率.370、巨人戦で打率.326と、相性の良さを示している。 西岡は5月22日の横浜DeNA戦で右肘に異変を感じて23日に登録抹消。右肘内側側副靱帯損傷の診断を受けて、治療のため長らく戦列を離れた。8月22日に屋外での打撃練習を右肘への負担の少ない左打席から解禁。すでに右打席の打撃練習も始めていて、17日のファームの広島戦からDHで実戦復帰予定だ。 「中途半端な形でチームには迷惑をかけたくない」というのが西岡の考えだが、すでに和田監督とも会談を終えて今後の復帰スケジュールについての大まかなプランが話し合われた模様だ。 西岡のリハビリをずっと見てきた阪神DCで評論家の掛布雅之氏も、「あれだけの実績のあるバッターだから、実戦で感覚を取り戻すには、そう時間はかからない。左打席では右肘への不安を感じさせない状態でスイングができている。右打席も形になっているし、ここからの大勝負の場面で、十分に代打として戦力になれると思う。いい意味でも悪い意味でもチームのムードを変えることのできる選手。ロッテ時代にも、優勝を経験しているし、緊張感のある試合に動じず結果を出せるのも西岡の強みだ」と、期待を寄せている。