「サハリン2」決済銀行ついに制裁 日本向けLNGは期限付きで免除
米財務省は21日、ロシアの大手銀行ガスプロムバンクを制裁対象に加えると発表した。日欧が頼る同国産エネルギーの取引を担うため本格的な制裁は避けていたが、方針を転換した。来年1月のトランプ次期政権の発足を前に、バイデン政権は駆け込みで対ロ制裁を厳しくしている。 米国は同行が、ウクライナ侵攻に必要な軍事物資の購入などに深く関わっているとみる。今回の制裁で、米企業との取引や米国の金融システムを介した取引ができなくなる。米国にある資産は凍結される。 同行は極東の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン2」の資金決済にかかわる。日本はサハリン2のLNGに大きく依存する。複数の商社も権益を維持する。こうした事情から、米財務省はサハリン2から日本に出荷されるLNGの取引に限って、来年6月末まで制裁の対象外とした。それ以降の扱いは明らかになっていない。
朝日新聞社