田中将大の去就決定は年越しが濃厚に まだ獲得の可能性があるとささやかれる球団の名前
■先発投手が欲しいロッテが動く可能性 可能性の範疇でも、獲得を検討する球団があるだろうか。スポーツ紙記者は意外な球団の名前を挙げる。 「可能性の話ですが、あるとすればロッテですかね。優勝を目指す上で先発陣が心許ない。田中が復活できれば、先発の5、6番手でチャンスがあります」 ロッテは今オフ、ソフトバンクからFA権を行使した石川柊太の獲得に成功している。石川は18年に13勝をマークし、コロナ禍でシーズンが120試合制だった20年は11勝で最多勝、最高勝率(.786)のタイトルを獲得した。石川が人的補償を必要としないCランクだったこともあり、FAでロッテ、オリックス、巨人、ヤクルトが獲得に乗り出し、慰留に努めたソフトバンクを含めて5球団の争奪戦になった。ロッテが即戦力投手を補強できた意味は大きい。 ただ、石川を獲得してもロッテの先発ローテーションが盤石とは言えない。佐々木朗希がポスティングシステムを利用したメジャー挑戦で抜け、先発で計算できる投手は小島和哉、種市篤暉、西野勇士に新加入の石川柊太を入れても4人。メルセデス、カイケルは自由契約となり去就は不透明。若手の田中晴也、中森俊介はまだ一本立ちとはいかず、ベテランの石川歩、唐川侑己、美馬学もシーズン通しての働きは計算できない。先発で試合を作れる投手が1人でも多く欲しいところだろう。 前出のスポーツ紙記者が続ける。 「ロッテは若手、ベテランと年齢のフィルターを掛けずに他球団から補強した選手が活躍するケースが多い。澤村拓一、坂本光士郎、岡大海、ソト、ポランコが好例です。ロッテに移籍した選手は『本当に良いチーム。生え抜き、外様関係なくアットホームな雰囲気で迎えてくれる』と口をそろえます。もちろん実力主義なので、田中の力をどう見極めるか。先発で復活できると判断すれば検討するでしょう」 田中と同学年の澤村は巨人にドラフト1位で入団して先発、救援で活躍したが、制球難で3軍降格を経験した20年のシーズン途中にロッテへトレード移籍した。セットアッパーとして復活し、メジャー挑戦を経て昨年からロッテに再復帰。今季は39試合登板で15ホールド1セーブ。守護神の益田直也と共にブルペン陣の精神的支柱として存在感は大きい。