巨人・桑田コーチ、いきなりイズム全開!「うまくないと楽しめない」
巨人・桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)が14日、川崎市のジャイアンツ球場で初日を迎えた新人合同自主トレーニングを原辰徳監督(62)らと視察し“初仕事”に臨んだ。巨人の一員としては15年ぶりに訪れた原点の地で、早速“桑田イズム”を全開にした。 【写真】“初仕事”に臨んだ桑田コーチ コーチ就任発表から2日。桑田氏は巨人の一員として15年ぶりにジャイアンツ球場に足を踏み入れ、心を高鳴らせた。 「自分が新人として(35年前に)初めて、よみうりランドに足を踏み入れたときのことを回想しました。久しぶりに中に入ると勝負の世界の緊張感を少し感じました」 自主トレ期間中のため指導はできなかったが、新人の動きに熱視線を送った。練習後はオンライン取材に対応。東大大学院の特任研究員として科学的に研究するなどしてきた“野球の求道者”らしく、早速いくつかの桑田節を披露した。 まず、口にしたのが自身の練習哲学だ。「たくさん走って、たくさん投げる時代ではない」と、旧来の考え方に一石を投じた。続けて、若き選手たちに期待したのが野球を「楽しむ」こと。「早くうまくなってほしい。うまくないと楽しめない。2、3年で土台をつくって、それからでもいい」と強調した。 もう一つ、重視したのが精神面。自身も経験した肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、リハビリの過程にあるドラフト2位・山崎伊(東海大)に言及し「(復帰までは)技術的、体力的なものよりも精神的な苦痛が大きい。そのサポートを僕ができたら」とうなずいた。 自身は1995年に右肘の手術を受けた際「投げられなくても下半身は鍛えられる」と発想を転換。ジャイアンツ球場の外野を走り込み、芝が剥げた部分は「桑田ロード」と呼ばれた。豊富な経験が、言葉にさらなる説得力を持たせる。 2月1日開始のキャンプは初日から帯同し、1軍から2、3軍まで指導する予定だ。「目標は日本一。どんな形でもいいので力になりたい」。9年ぶりの日本一奪回へ、原巨人に“桑田イズム”が注入される。(谷川直之) ◆桑田投手チーフコーチ補佐について巨人D2位・山崎(東海大) 「トミージョン手術から復帰して、どう1軍で活躍するところまで持っていけるかということを学ばせていただきたい」 ★阿部2軍監督も「学ぶ」 阿部2軍監督も新人合同自主トレを視察し、かつてバッテリーも組んだ桑田投手チーフコーチ補佐の加入を歓迎した。「指導者になっても学ぶことはたくさんあるのではないかなと思う。いろいろな方面で指導経験も豊富なので聞いてみたい」。自身は2軍監督就任2年目。ルーキー全員に「努力できる天才になってくれ」と訓示した。 ■桑田 真澄(くわた・ますみ) 1968(昭和43)年4月1日生まれ、52歳。大阪府出身。PL学園高では1年夏から5季連続で甲子園出場。2度の全国制覇(83、85年夏)を果たし、戦後最多の甲子園通算20勝をマーク。86年ドラフト1位で巨人入団。MVP、沢村賞、最多奪三振各1度、最優秀防御率2度などのタイトルを獲得。2007年にパイレーツとマイナー契約を結び、同年6月にメジャー昇格。08年3月に現役を引退。日本通算442試合に登板、173勝141敗14セーブ、防御率3・55。メジャー通算19試合に登板、0勝1敗、防御率9・43。右投げ右打ち。