40年もなぜ使われる? もう1つの米大統領専用機VH-3D「マリーンワン」来日は最後か
横田基地と赤坂を往復していた“老兵”
2022年5月24日に東京で開かれた日米豪印4か国(クアッド)首脳会議に合わせ、羽田空港や在日米空軍横田基地には要人を乗せた特別機が続々と飛来しました。なかでもアメリカのバイデン大統領を乗せ、「日米友好祭」真っ最中の横田基地に着陸した大統領専用機VC-25A「エアフォースワン」は話題を呼び、SNSやメディアで大きく取り上げられました。 【横田基地にキター!!】大統領専用機「エアフォースワン」と並ぶ「マリーンワン」ほか 実はこの時、もう1つの大統領専用機が横田基地でバイデン大統領の到着を待っていました。コールサインは「マリーンワン」。機体は、アメリカ海兵隊の第1海兵ヘリコプター飛行隊に所属するヘリコプター、VH-3D「シーキング」です。 このVH-3Dは近いうちに新型の「SH-92A」に置き換わることが決まっており、「マリーンワン」として日本で飛行するのはこれが最後となった可能性があります。 「マリーンワン」とは、アメリカの大統領を乗せた海兵隊機のコールサインです。アメリカ大統領はホワイトハウスから、最も近い空軍飛行場であるアンドルーズ空軍基地へ向かうときなど、短い距離を移動する際は専用のヘリコプターを使用します。外遊時には事前にアメリカ本国から現地へと輸送され、大統領専用車「ビースト」などと共に大統領の移動を助けます。
VH-3Dだけじゃない、もう1つの大統領専用ヘリ
バイデン大統領は今回、横田基地と港区六本木にある在日米陸軍施設「赤坂プレスセンター」との間を「マリーンワン」で往復しました。 要人輸送を担う第1海兵ヘリコプター飛行隊では、大統領や副大統領、閣僚などの移動で使用する機体として、SH-3哨戒ヘリをベースにしたVH-3D(14人乗り)と、汎用ヘリUH-60「ブラックホーク」をベースにしたVH-60N「ホワイトホーク」(11人乗り)の2機種を運用しています。 これらを「マリーンワン」として運用する際は、常に同一機種で編隊を組んで飛行します。2022年5月22日のバイデン大統領の来日では、横田基地で大勢の来場者が見守るなか、2機の「マリーンワン」が同時に飛び立ちました。 ちなみに2機セットというイメージが強いですが、多い時には5機編隊で運用されることもあるそうです。離陸後は大統領がどの機体に乗っているかわからなくするため、定期的に隊列を変えて目的地へと飛行します。