怒りっぽいとボケる?大股歩きだとボケない?【脳にまつわる7の噂】を検証|美ST
ボケないために効果的なこととして定着している通説や、これが効く!と言われる習慣や食べ物など…。まだまだ未解明であると言われる“脳”にまつわる神話について、認知症予防・治療の第一人者新井先生のご意見を参考に検証してみました。脳の健康寿命を伸ばすためにできることから始めましょう!
2:腸内環境が良好な人はボケにくい 脳相関は最近のホットな医学的話題。ビフィズス菌などで腸内環境を整えると、認知症の発症を遅らせるとのエビデンスに注目が集まっている。 3:怒りっぽいとボケやすい? メンタルの老化で元々の性格が丸くなる場合と、怒りっぽくなる場合がある。認知症になりやすい性格的傾向はないが症状の現れ方には性格が影響。
4:大股で歩く人は ボケにくい
だらだら歩きは✕。手足、特に太ももの動きを意識し、歩幅も少し大きくすることも重要。デュアルタスクで歌うことも◎。 5:いくつも同時進行でできる人はボケにくい 脳の健康は、何か一つだけやるよりも同時に複数のことをする(デュアルタスク)は、脳を広く刺激するトレーニングになる。
6:思い出せないときに検索せずに思い出すことが大事
ど忘れならば、他の時には思い出すので思い出すまで検索せずに考えることにはあまり意味がない。 7:楽しく意欲を持てる対象がない人はボケやすい 脳は楽しい!と感じることで活性化するので、意欲を持って楽しい時間を過ごすことは脳のためにとても有効。
▶︎▶︎脳にとっては意欲が大事。体の健康とともに心地よく脳の健康寿命を延ばすこと
謎が多い脳の働きについてはまだ10~20%程度しかわかっていないそう。脳にまつわる噂も医学的なエビデンスが証明されていないものも多く、“脳のために”と無理をしないこと。「まずは適度な運動とバランスの良い食事、睡眠。生活習慣病や歯周病などは治療する。あとは自分が楽しめることを見つけて意欲的に活動すること。キレイでいたいと装う努力をすることも意欲的で良いことです。自分の信念を確かに持って、人生を大事に生きている人はいつまでも輝いている。リスクを減らし、脳寿命を延ばして人生を楽しんでください」(新井先生)
お話を伺ったのは……アルツクリニック東京院長 新井平伊先生
’84年順天堂大学大学院修了、順天堂大学大学院精神・行動学教授を経て’19年より現職。専門は老年精神医学。日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」や「健脳カフェ」を開設するなど、認知症予防、治療の第一人者。 2022年『美ST』6月号掲載 イラスト/いいあい 取材/森島千鶴子 編集/小澤博子