「うちに来て世紀の大FAの先駆者になって」巨人・阿部慎之助監督が北の大地から公開ラブコール
巨人の阿部慎之助監督(45)が23日、国内FA権を行使した阪神・大山悠輔内野手(29)とソフトバンク・甲斐拓也捕手(32)に初めて言及し“ダブルラブコール”を送った。札幌市内の居酒屋「北の味 大助」でトークショーに出席。大山へ「世紀の大FAの先駆者になってほしい」、甲斐へ「絶対的な司令塔が欲しい」と熱い思いを語った。球団は両選手に6年以上24億円超の超大型複数年契約を用意しているとみられ、日本一へ不可欠な補強に全力を尽くす。 熱い思いを吐き出した。阿部監督が大山、甲斐のFA獲得レースについて初言及。「この戦力で来年勝てるかといったら勝てないと思う。優勝したからこそ補強って必要」とし、なぜ必要なのかを明確に示した。 大山はポイントゲッターとして不可欠だ。「CSでバレちゃった。岡本に打たせなければいいんだって。初回から申告敬遠だから。岡本の後を打つ選手がいなかったのが勝てなかった要因」。6試合計9得点でDeNAに敗退したCS最終ステージの先発5番は大城卓、坂本、ヘルナンデスが務めるも計22打数無安打。4番・岡本和が4つの申告敬遠で勝負を避けられ、打線を分断された。 「短期決戦で勝負を避けられたのはこっちの責任。そういう打線を組めなかった。そこが反省なので、ある程度は実績ある選手がいてくれたらなと思ってFAに参戦している」。今季得点圏打率リーグ2位の3割5分4厘の虎の主砲は補強ポイントと合致する。 過去に阪神から巨人にFA移籍した選手はいない。「大山くんは茨城出身なので。東京に来てくれないかなと。本人が一番懸念しているのは阪神から巨人にいくことだと思う。今は時代が変わってきているし大丈夫。村田修一が(12年にFAで)横浜から巨人に来た時もめちゃくちゃ言われていたけど、優勝して3連覇したら何も言われなくなった。ブーイングは認められている証拠だし意気に感じてほしい。うちに来て世紀の大FAの先駆者になってほしい」と熱っぽく語った。それほど大山が必要な存在ということだ。 甲斐には捕手の底上げを託したい。「来てほしいよね。何で甲斐くんが欲しいかって、絶対的な司令塔が欲しいから。絶対的な司令塔がいればチームにとっても、とてつもない安心感がある。そういう支柱が欲しい」。今季は岸田、小林、大城卓の併用で4年ぶりのリーグ優勝。だが、いずれも日本一の経験がない。日本シリーズ制覇を知り、代表経験も豊富な甲斐の頭脳が加われば、バッテリーをさらに強化できる。 残留か巨人移籍か一騎打ちの様相となっている両選手の獲得へ、球団も全面バックアップ。当初の条件から上積みし、ともに所属球団を大きく上回る6年以上24億円超の超大型契約を用意しているとみられる。「せっかくFAの権利を得た。人生にないぐらい悩んで決めてほしい。本人の意思を尊重させていただきますが、どこかのタイミングで直接、交渉の席について思いを伝えたいと思っています」と指揮官は直接出馬にも意欲を示した。 来季の目標は13年ぶりの日本一。悲願達成のために積極的に進める大補強。公開ラブコールに思いの強さを込めた。(片岡 優帆) ◆「札幌の父」の店でトークショー 阿部監督は長年親交があり「札幌の父」と慕う大島昌充さんの経営する居酒屋「北の味 大助」でトークショーを行った。球団は大山、甲斐に加え、ソフトバンクの石川柊太投手も本格調査中。「日本は出ていったら裏切り者みたいになるけど、いい意味でビジネスなんだというのがもう少し浸透していったら楽しくなると思う」などと持論を展開した。
報知新聞社