片付けのプロで文筆家の青木美詠子さんが吟味した、掃除と家事を支える道具たち。
不便さを諦めない! 工夫次第で家事はラクになる。
もうひとつのアイデアが、コーヒーミル用のブラシを、部屋掃除に転用したこと。掃除用ブラシはどれも同じに見えて、毛ゴシの強さ、しなり具合などが大事なのだそう。 「私はブラシ好きなので、人一倍こだわりが強くて(笑)。このブラシは理想の1本。巾木の上など細いところを掃除するのにちょうどいいです」 使い心地がよくないものを我慢してやり過ごさずに探求する姿勢が、ストレスのない家事につながっている。 家事の動線が、家づくりのポイントでもあった。洗面所は、洗面シンク→洗濯機→ガス乾燥機を横一列に並べたことで、洗濯がスムーズに。 「当たり前のことと思われるかもしれませんけれど、前の家では洗面所にガス乾燥機を置けなくてかなり不便でした。家事動線の無駄がなくなるだけで、ずいぶんラクになるものだなと実感しています」 家事を助けてくれる便利なものは積極的に取り入れたい。とはいえ、便利さに慣れすぎてしまうのにも、ちょっとした抵抗感が。 「たとえば家事代行サービス。とても便利なものだとわかっていますが、年金生活になれば、お金を払って日常の家事をしてもらう家計の余裕などないかもしれません。どうにか簡単な道具で自分の家事スキルを上げておくのもひとつの安心なのかなと思います」 でも、家が築10年を迎えたら自力ではダクトの奥まで手が届かない換気扇の掃除を業者にお願いしてみるつもり、と青木さん。道具の力はもちろん、人の力を借りることも増えていくのかもしれない。 「まだ、外の塀に上がって壁掃除できるくらいには元気です。気力、体力のあるうちは、手軽な道具を駆使しながら家事を楽しみたいですね」
電子レンジで簡単、手早く半熟卵を作れる。
〈ダイソー〉で購入したもの。容器に水と卵をセットし、電子レンジ約1分20秒で半熟に。「時短調理できておすすめ。好みの半熟加減にするのに、ちょっと調整が必要です」
塩麹づくりにも重宝する甘酒メーカー。
材料を入れてスイッチひとつで自家製の甘酒やヨーグルトなどが作れる〈ナカサ〉の甘酒メーカー。容器は1Lサイズ。「最近はもっぱら塩麹づくりに使っています」