アジアのエコ先進国!シンガポールで進む「環境への取り組み」
さまざまな企業で、環境に配慮したプロジェクトが広がる昨今。アジア随一の“エコ先進国”であるシンガポールは、政府が力を入れてサステナビリティを推進していることも手伝って、より先進的な取り組みが多数行われています。 【写真】まずはおしゃれから!サステナブルなファッションブランド13 そこで本記事では、身近な食べ物からエアラインまで、シンガポールで進む「エコアクション」についてご紹介します!
サステナブルな食材調達のかたち!今話題の「鶏の培養肉」
《GOOD Meat(グッドミート)》 2020年12月から、世界で初めてシンガポールで提供され話題になっているのが、鶏の培養肉。 これは、ニワトリの細胞を培養して作られたもので、劣悪な環境での鶏の飼育や屠殺することなく食肉を作り出すことができるので、“サステナブルな食材調達のかたち”として注目を浴びる先進的な取り組みです。 別名ラボ・ミートとも呼ばれるこの培養肉は、豆などから作られるプラントベースと違って、肉らしくするためにフレーバーや添加物を加える必要がなく、よりクリーンな食材であることもポイント。 シンガポールでは世界で唯一、この培養肉がレストランの食材として提供されているのです。実現したのは、アメリカ・サンフランシスコ発のフードテックベンチャー「Eat Just」の培養肉部門である「GOOD Meat」。 サステナブルで健康的な食品の製造をミッションに掲げる同社では、他にえんどう豆を原料とした、プラントベースエッグ「JUST Egg」でも知られています。
現在レストランで提供されているのは、培養肉を使ったチキンナゲット。なぜサステナビリティが叫ばれているのか、なぜ培養肉が必要なのか、といったコンセプトを反映した全4品のコースメニューのメインとして食べることができます。 直近では、培養肉をより手軽に楽しめるようにという思いから、シンガポール名物でもある、ローカルな屋台とのコラボレーションも実施! シンガポールで45年続く、現地で人気のレストラン「Keng Eng Kee Seafood」にて、培養肉を使用した「サテ」が販売されました(期間限定)。 高い生産コストにまだ課題のある培養肉と、コスパ最強な屋台フードのコラボは、培養肉の歴史においてまさに記録的な瞬間。シンガポールの国民食とも言えるサテとのコラボは、「培養肉が現実的に食事に取り入れられ、美味しく食べられる」という証になりました。 さらに6月10日には、大規模なGOOD Meatの生産施設の着工がニュースに。これまでは、限られた人数向けに、テストや検証の意味も込めて提供されてきた培養肉ですが、このようにして着々と大規模な生産に向けて動き出しているのです。 ますます従来のお肉との境目がなくなっていくように感じる培養肉。今後の動きにもぜひ期待したい!