『103万円の壁』引き上げで『106万円・130万円の壁』も切実? 知事「深刻なのは市町村」熊本
熊本放送
年収が103万円を超えると所得税が発生するという、いわゆる『103万円の壁』について、石破総理が引き上げる方針を示しました。これに対し熊本県の木村敬(きむら たかし)知事は、特に市町村への影響に懸念を示しました。 【写真を見る】アルバイト・菓子店の代表・県知事 それぞれの声 ■大学生アルバイト「ありがたいと思う」 11月29日午後、石破総理は所信表明演説で「103万円の壁については令和7年度税制改正の中で議論し、引き上げる」と述べました。 この表明に、熊本市の洋菓子店でアルバイトとして働く大学生は。 大学3年生「親から(103万円の壁を)超えるなとは言われていたので(引き上げは)学生としてもありがたいと思うし、パートもありがたいかなと思う」 ■店側は「106万円の壁も同時に突破されてこそ…」 103万円の壁をめぐっては、課税されないために働く時間を調整する働き控えが課題となっています。この店は1年を通して103万円を超えないようにアルバイトやパートのシフトを調整しています。 店の代表は、社会保険料の負担が生じる106万円・130万円もにらんだ議論をしてほしいと言います。 アントルメ菓樹 柴田悠貴代表「会社からするとやっぱり106万の壁。そこが同時に突破されてこそ、本当にこれから先、働き控えも人手不足解消も本格的に進んでいくと思う」 ■知事「減収、深刻なのは市町村」 一方、仮に178万円まで引き上げられた場合、熊本県内での個人住民税の減収は「約485億円」と県は試算しています。 木村知事は。 熊本県 木村敬知事「減収は県以上に多分、深刻なのは市町村だと思っています。市町村行政というのはハード整備よりも、より住民向けのきめ細やかな行政だと思っていますので、そうした方向にしわ寄せがいかないことを切に願っています」
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