「緊急事態宣言」全国に拡大 安倍首相が会見(全文1)「コロナ疎開」で感染拡大は避けたい
外出自粛はいまだ目標レベルに達せず
そして人と人との接触を最低7割、極力8割削減するとの目標の実現に向けて、外出自粛の要請に応えてくださっている国民の皆さまにあらためて感謝申し上げます。事業者の皆さんにも在宅勤務を原則とするなど、多大なご協力をいただいています。しかし1日当たりの新規の感染者数はまだ減少には至っていません。東京都では本日、過去最高の200人を超える感染者の報告がありました。大変厳しい状況です。都市部の平日の人出は感染拡大前と比べて、東京の渋谷周辺では6割程度、大阪の梅田周辺では7割程度、減少していますが、いまだ目標のレベルには達していません。最低7割、極力8割の接触削減を実現できない限り、1日当たりの新規の感染者数を大きく減少に転じさせることは困難です。 累積の感染者数は、東京都ではすでに3000人に迫っています。大阪府でも1000人を超えました。各地で軽症者の皆さんにホテルなどで療養していただく取り組みも進んでいますが、医療現場からは悲鳴が上がっています。守る、守れる命も守れなくなる。感染リスクと背中合わせの中で現場の医師や看護師の皆さんの肉体的な、精神的な負担は限界に達しています。皆さんにあらためてお願いいたします。どうか外出を控えてください。できる限り人との接触を避けてください。そのことが医療現場を守り、多くの命を守ることになります。ひいては皆さんや皆さんの愛する人たちを守ることにつながります。すべては私たち1人1人の行動に懸かっています。
「コロナ疎開」は絶対避けねばならない
昨日、緊急事態宣言の区域を7都府県にとどまることなく、日本全国へと拡大することといたしました。尾身会長をはじめ諮問委員会の専門家の皆さんから賛同いただき、政府対策本部において決定したものです。足元では全国各地でクラスターと呼ばれる集団感染が確認されるようになっています。これについては3月の3連休における緩み、都市部から地方への人の移動が全国に感染を拡大させた可能性があるというのが専門家の皆さまの分析です。 また、東京都や大阪府など7都府県では、すでに知事による休業要請などが進む中で、一部にコロナ疎開と呼ばれるような外の地域への人の動きが見られるとの指摘があります。間もなくゴールデンウィークを迎えますが、感染者が多い都市部から地方へ人の流れが生まれるようなことは絶対に避けなければならない。それは最も恐れるべき事態である全国的かつ急速な蔓延を確実に引き起こすことになります。 先週の記者会見でも申し上げましたが、地方には重症化リスクが高いといわれる高齢者の方々がたくさんいらっしゃいます。その感染リスクが高まれば地域医療に大きな負担となり、ひいては国民生活、および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。こうした事態を避けるため、大型連休に先立ち、それぞれの地域で観光施設への休業要請も必要となるでしょう。人の流れを、人の流入を防ぐため、各地域が所要の緊急事態措置を講じることができるよう、今般、緊急事態宣言の対象を全国に拡大することとしました。そのため、期間についてはこれまで同様、ゴールデンウィークが終わる5月6日までといたします。あと20日間、日本全体が一丸となって、このウイルスとの闘いを闘い抜いていく。全国の都道府県と手を携えて、皆さんの健康と命を守るため、あらゆる手段を尽くしていきたいと考えています。